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ふと、涼也を見るとすがりつく様な瞳をしていた。

何となく―――
何となくだけど、こいつは助けて欲しい時とかは他人には言えないんだろうなぁ、って思った。

それは人の上に立つものだからなのか、涼也の性格だからかわからない。

だけど、助けてやりたいって思うのは当然な感情だと思う。

俺は一呼吸置いてから、言葉を発した。


「………何かあったんだろ?………なあ、何か俺ができる事―――」


あるんだろ?
だから呼んだんだろ?

そう言って話しやすくしようとしたのに、………俺の言葉は涼也の口の中で消えた。


「……ん、やめ……、ぁ」


後ろ髪を荒く掴んで上を向かされた状態でのキス。当然、にゃんころは驚いて膝から逃げ出しのがわかった。

何とか制止の言葉を発するも、口を開けた瞬間ぬるりと涼也の舌が入り込んだ。

「――――ッ―――!!」


俺は思わず眉をしかめる。
当たり前のように唾液と共に絡みつく舌。舌ばかりじゃなくて俺の口内中を舐め回すかの如く大胆に入ってくる涼也の舌は………とてつもなく苦かった。


「………にがっー……」


唇が離れた後に洩れた言葉に涼也が鼻で笑った。


「悪い、煙草吸ってたからな」


煙草の苦さか、と納得するも、どうもこの苦さは頂けない。


「……煙草の後のキスは禁止」


渋面しながらそう宣言すると、クツクツと面白そうに笑う涼也がいた。


「煙草吸って無い時ならいいんだ」

「まぁ、致し方ない。……って、するのはいいけど、てめぇいきなりは止めろよ!!すっげえビックリするんだからな!!」


とりあえず、明るく声を出した。何だかそんな会話を涼也が求めている気がしたから。


「やだね」

「んだと、このやろッ」


くしゃくしゃと涼也の髪をかき乱してやった。
いつも大人ぶった涼也の表情が緩む。

涼也はそっと俺の腕を掴んで、髪を乱す動きを止める。


「お前、優しいな」

「……当たり前だろ」


急にそんなコトを言われたから、ふざけてそう返した。

実際、気を使う位はしたが優しい事なんてしていない。ここに来たのも―――自分が逃げたかっただけで本当、自分本位。

だけど、涼也がそう感じるなら、涼也は優しくされたかったのだろう。
俺とのたわいのない会話で優しさを感じる位、参ってたんじゃないのか。

そんな事を考えていたのだが、次に涼也が紡いだ言葉に俺は目を見開いた。



「なぁ、オレ達付き合わないか?」

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あきゅろす。
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