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「そういえばさー、こうさんに相談があるんだ」


き、た。


まるで今日の天気の話しをする様に話し出す旭に、俺は気付かれないようにため息を落とした。

最近、旭は相談と言って俺に色々聞いてくる。
例えば「こうさん、サプライズって好き?」とか、「好きな人と一緒に暮らすとかって……どう思う?」そんな類の質問だ。

それは、旭が沙世さんにしてあげたい事の質問なんだろうけど……俺には凄く辛い。
その質問がくる度に俺の心は軋むように痛むのだ。
けれどその痛みを出さないように応えている俺の心は正直限界で、今にも泣いて旭に訴えたくなる。

そんな事を俺に聞くな、と。



好きだから、何とかしてあげたい。
だけど、本当に辛いのだ。

知られたくない、けれど脳天気にそんな事を相談する旭に、この想いを知って欲しい。


相反する気持ちが顔に出てたのだろうか。
旭は恐る恐る言葉を付け加える。


「あ、相談っていうか……困ってる事なんだけど……ダメ?」


そんな顔は、卑怯だ。
形良い眉は下げられ、まるで捨てられる寸前の子犬の様。


「いいに決まってんだろ。話せよ」


旭が気軽に話せるように、笑った。
瞬間、嬉しそうな笑みが旭の顔に広がる。それは俺が答えを言うと見られる笑顔と同じで……俺は納得した。

そっか、俺はこの顔が見たくて相談を受けてたんだ、って。

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あきゅろす。
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