start 10 「ひっ……!!」 たらりと尻に冷たいものが垂らされた。 ぬめりを持ったそれはローションだと解る。 「涼也、さん、怖いんだけど……」 無言で孔にローションを垂らしている山形さんに声をかける。 「…………っ!!」 つぷりと孔へ指をあてがわれる。そしてそのまま孔をなぞるように指を擦りつけた。 少しでも指に力を入れられると中に入ってしまう。 怖い。 怖い。 恐怖に引きつった顔にようやく気付いたのか、山形さんは安心させるように口元を緩めた。 「大丈夫、痛くないから」 「ほ…ほんと?」 「ああ、気持ち良く、してやる」 にこりと優しく笑った顔に騙された。 笑顔に安心して緊張した躰が弛んだ瞬間、山形さんの長い指が根元まで一気に俺の中に入った。 「―――――っ!!」 声にならない悲鳴をあげる。 ローションのお陰か痛く、は無い。 けれど気持ち悪い。 内臓を押しやられるような感覚。 入っているだけなのに、主張する指。 はくはくと浅く早くなる吐息。どっと冷や汗が額に浮かんだ。もちろん、俺のモノは達した後のままで…萎えていた。 ぐちぐちと解すように上下に指が動き始める。 動く度に孔の隙間からローションが流れ込むのか、濡れた音が大きく響き始めた。 「う…そ、つき…」 息も絶え絶えに悪態をつくと、あの人の悪い笑いを見せる。 「嘘じゃない、今から気持ち良くしてやるんだよ」 「…く……そっ」 俺がバカだった。 生理的な涙が頬をつたう。 これがセックスなら二度とするもんかっ! 固く誓った瞬間、大袈裟な位、俺の躰が跳ねた。 強すぎる快感。 それと気付くのは再び中を引っ掻く指。 「あっ、あっ」 目を見開いた俺は、信じられない快感に喘ぐしか出来なかった。 [*前][次#] [戻る] |