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◆〜88888HIT CLEAR
10000HITF ※R18
(フェデルタ嫉妬)

嫉妬

それは醜い感情だと、決して抱いてはいけない大罪だと教えられたし、私もそうだと思っていた。
だが、今、確かに私を支配するこの感情は……。

「真実」

「あれ、フェデルタ。どうしたの、迎えに来てくれたん?」

現在地は家から徒歩10分ほどの位置にある駅。
現在時刻はいつも真実が帰ってくる時間。
頼まれものの買い物と散歩に出たついでに一緒に帰ろうと思ってぼんやりと待っていた。

コクリと頷くと真実は嬉しそうに私に抱きつく。
柔らかい髪が腹を擽り、触れた場所から真実の熱が伝わってくる。

「立川くんのお友達?」

高い声に顔を上げるとそこにいるのは、美しい者を見慣れている私から見ても美しい女性。
長い髪、しなやかな体、釣り目気味だがきつさを感じさせない意志の強そうな瞳。
彼女はゆっくりと腕を伸ばすと真実の腕を取り、強引ではない強さでクイクイと引いた。

「ねぇ今日は飲みに行く約束でしょ?」

甘い声音、少し艶を含んだその声は男なら誰でも言う事を聞いてしてしまいそうな毒を含んでいる。

体から真実の体温が離れ、途端に胸を支配する感情は……。

「真実、すまないっ!」

彼女に向き合おうとした真実の腕を強引に取り、引き寄せる。
そしてそのまま駅の出口まで引きずるように走った。
背中に女性の焦るような声が聞こえたが無視して走った。

建物の影に入ると背中に力を入れ翼を出すと地面を思い切り蹴った。
誰かに見られているかもしれないなどという心配は、この時頭の隅を掠ることすらなかった。
バサリと大きく翼が広がり一気に上空まで飛び上がる。

「ちょ、フェデルタ……、うわ、高けぇ!」

私の腕に抱えられながら眼下に小さく写る街を眺める真実は、怒っているようでもなく少し安心する。
それでも私の内側に生まれた感情は消えなくて、それを消してしまいたくて、ただひたすらに真実と2人になりたかった。
私にとって歩くよりも慣れた飛行は極短い時間で終わり、仮住まいとして住ませて貰っている立川邸へとつくまでに3分も経たなかった。

2階のベランダに下りると魔術を使って鍵を開ける。

「泥棒し放題じゃん」

「しない」

「だよねぇ」

楽しそうに笑う真実はいつもと変わらない。
違うのは私だ。

真実をベッドに座らせるとその腹に腕を回して床にへたり込む。
自分でも理解できないが、立っていられない位衝撃的だったらしい。

「……どうしたん?」

真実の指が優しく私の髪を撫でる。
時折地肌に触れる指の温かさで目の前が少し潤んだ。

「私は……」

言葉に詰まる。
嫉妬したと、自分が堕ちたものだと伝えて真実に嫌われたらどうすればいい?
蔑まれた目で見られたら、いやそれ以上にいないもののように扱われたらどうしたらいい?

(そんな事になったら……狂ってしまう)

言う事は出来ない、だが嘘もつきたくない。
ならば答えは1つ。

沈黙すること

私の返事を待ってゆったりと髪を撫でていた真実の腕を掴み強引に引き寄せる。
突然だったが特に逆らう素振りも見せず、真実はキスを受け入れた。
深くあわせられた唇の間から細い吐息が漏れ、絡み合った舌がお互いを探り合うように動くと軽く歯で挟まれ刺激される。
唇を離すと真実の首筋に舌を這わせた。

「…あ……っ」

唇で挟み舌で撫でるように舐めあげる。
痛みの無いように軽く吸うと、一瞬桜色に染まるのが楽しくて、音を立てて何度も続けた。
その度に真実の腕に力が入り、私の体に縋るようにしがみついてくる重みが私の心を安心させる。

真実の体をゆっくりとベッドに横たえると服に手を当て、魔法を使い一気に衣服を剥ぎ取る。
性急な行動に驚いたらしい真実が起き上がろうとするのを片腕で制し、その腕で真実の両腕を押さえ込む。
真実は成人男性として力が無い訳ではないが、基礎の力の差は決して覆らない。
不安そうに私を見る真実の目を見ていたくなくて魔術で出来た布で真実の目を覆った。

「フェデルタ?」

こんな状況なのに真実は私を責めない。

本当は私は穢れている。
本当の私は澱んでいる。
本当の私は、嫉妬している。

真実の友達に、駅であった女性に、真実に影響を与える全てに。

だがその全てを伝える事が出来ずに強引に肌を合わせた。

「あぁ……はぁ……ん…―」

舌先で胸の突起を舐め上げると真実の口から甘い喘ぎが漏れる。
受けた快楽を隠そうともせずに、腕を押さえられた不自由な格好のままで身を捩り、快感で勃ちあがりかけた肉茎を私の腹に擦り付けてくる始末だ。
体制を変え腹で押さえつけるように擦ると、ビクビクと体を震わせ快感を貪欲に貪ろうとする。

「こんな風にされても感じるのか?」

自分が官能を高めるような事をしておいて酷い言い草だとは思う。
だが自分がその事実に酷く独占欲が満たされるのがわかる。

にちゅにちゅと腹で音を立てながら粘度の強い蜜を垂らし続ける真実のモノを、手のひらで擦り上げ指の腹で先端を擽るように撫でる。

「あ、やぁ……もっと強くして……」

濡れた音を立てながら焦らすことなく真実の肉茎を強く扱き上げると、真実が私の手の動きに合わせて腰を揺らした。
濡れた指で会陰を撫で、奥まった窄まりを揉むように刺激すると、そこは期待したようにヒクヒクと震え指に絡みつく。

「い、きなりは勘弁して……」

ハアハアと荒い息で快楽を享受しつつも、秘所を刺激され真実が焦ったように体を震わせた。

「ああ、わかってる。ちゃんと濡らす」

太ももを押し上げるように上を向けると収斂する秘所を上に向けおもむろに舌を這わせる。

「ぃあぁ…っ!」

穴を穿るように唾液を含ませた舌を突き入れると、抉るように入り口をぐるりと舐める。
真実の秘所がヒクヒクと舌を締め付け、奥まで迎え入れようと蠕動する。

「フェデルタ……、な、舐めて、る?」

様子を見る事の出来ない真実が震える声で聞くが、舌を締め付けられて喋る事の出来ない私は、返事の代わりに肉茎を握りクチュクチュと擦った。
その刺激にまた秘所がキュウキュウと舌を締め付ける。
くぷくぷと音を抜き差しし、舌を出し入れすると真実の口から甘い喘ぎが出て私の方が堪らなくなる。

舌を抜き、指を2本強引に突きいれく、円を描くようにぐるりと内壁をかき回す。
舌で舐め解されたそこは柔らかく指をくわえ込み、しゃぶるように指を締め付けた。
私は既に硬くなった自身を擦り上げ手を添えると、真実の秘所に押し付け一気に貫いた。

「あ゛あ゛ああああぁぁあああ……――!!!」

予想できない衝撃に真実の喉が反り返り、その口から叫び声があがる。
だが、それに構わず私はガシガシと腰を打ちつけ、真実の内部を抉る。
引き抜くときは引き止めるように絡みつき、挿入する時は迎え入れるように奥まで開く淫らな肉の蠕動に気が遠くなりそうな快感を覚える。

長く持たせるとか、一緒にいる時間を楽しむとかではない、ただ貪るような性行為。
真実の中に自分を刻み付けるようにひたすら腰を動かし、内部を穿つ。
結合部から淫液が淫らに飛び散り、シーツを濡らす。

「あ、あぁ、あ、ぁああ……、フェ、デルタ、俺もうイク、イッちゃう……」

自由に動かない体をもどかしそうに蠢かしながら真実が途切れ途切れに伝えてくる。
小さく了承の返事をすると真実の体の横に腕をつき、思い切り腰を突き入れ真実の内部を刺激していく。
快感で崩れそうになる腰を必死で振りたくり、肉の感触を味わう、絶頂の近いそこは極上の締め付けで迎え入れ、搾り取ろうとする。

「あ、あ、あ、あ、あぁぁあああぁああ……――!!!」

最奥を突かれ言葉にならない喘ぎを上げ、真実が果てる。
激しい射精に引きずられるように内壁が戦慄き、私の性感を否応にも刺激していく。
放出寸前の肉茎を中からずるりと引き抜くと、むちゃくちゃに扱き真実の腹に思い切り精を吐き出した。

真実の腹を白く染めた精液を萎えた肉茎で塗りつけながら、このまま私の匂いが染み付いてしまえばいいと思う私は醜悪だった。



「これって嫉妬?」

急に問われてごふっと噴出す。
慌てて振り向くと腕をさすりながら真実はにんまり笑った。

「可愛いなぁ、あれくらいで嫉妬しちゃうなんて」

「可愛い?!」

嫉妬といえば大罪の1つで蔑まれて仕方が無い物だ。

「可愛いじゃん、俺超愛されてんじゃん?」

真実の言わんとするところが良くわからず、眉を潜めると、人差し指で眉間のしわをグリグリと押される。

「嫉妬って相手に対して執着しなければ無い物じゃない? つまり俺はフェデルタにとって必要とされてるって事で……ね、超愛じゃん!」

嬉しそうに私に抱きつく真実の思考は多分ずれている。
でも、

「愛か」

「愛だしょ?」

いつも軽々と私の心配や不安を吹き飛ばす真実の笑顔を見ているとそれで良いような気がしてしまう。

「あーしかしアイツには悪い事したな」

アイツ、多分先程の女性だろう。
なんとも言えず複雑な気分になり、自分でもわかるくらい不機嫌そうな表情になると真実があやす様に私に腕を回す。

「確かにアイツは美人だし、気立ていいし、頭いいし、一緒にいて楽しいよ」

不安要素しかないじゃないか。

「でも……」

「でも?」

「チンコついてないじゃん?」

間―――

「は?」

「だって俺ゲイだもん」

「げい?」

聞いた事の無い言葉に真実の言葉を鸚鵡返しすると、真実がコクリと頷き説明してくれた。

「俺は男にしか興味ないの」

という事はあれだけ魅力的な女性であっても範疇外で、全く嫉妬する必要はなかったと……。

「…………」

「フェデルタ?」

「それって、嫉妬する対象が女性から男性に変わっただけじゃないか?」

にぱーと真実が笑い頬にキスをする。

「うん、だから一杯嫉妬して」

真実の言う事は私の教わってきた事と真逆だ。
だがなんて甘美に俺を縛るのだろう。

「また酷くするかもしれない……」

赤く擦れた腕を優しく摩ると真実が耳に唇を当てる。

「…………すっごい興奮した」

囁くような声がぞわぞわと私の背を刺激し、まるで耳を犯されたようだった。

「……変態だな」

「お似合いでしょ?」

顔を傾けて唇に触れるだけのキスをし、お互い見つめあう。

「全くだ」

私が笑うと真実も嬉しそうに笑い、じゃれるようにお互いの体を重ねた。



フェデルタ動かしにくーい!
Side:真実にしなかった事を途中で後悔しました。
でも色々制約が溶けていく感じでフェデルタが楽に生きられるようになっている気がします。
もしかしたらこれは俗にいう『堕天』では……。

リクエストありがとうございました!
ヤキモチ焼く攻めが暴走美味しいです。
強引に突っ込ませようかと思ったのですが、痛そうで断念しました。
真実はそれでも喜びそうなのですが。

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