◆〜88888HIT CLEAR
10000HITE
(セルヴァ女体化)
「ご主人様」
眠っていた俺を軽く揺すりながらセルヴァが声をかける。
もう朝かと思い眼鏡を探すが、今日は休日ではなかっただろうか?
それならまだこのまどろみを楽しんでいたい。
「もうちょっと寝てよう……」
セルヴァを抱き枕にもう一眠り。
腕を伸ばし胸に俺の悪魔を抱き寄せる。
さらさらの髪はいい匂いだし、滑らかな肌は指ざわりがいい。
そして体が触れた胸はふくよかで……。
「ん?」
がばりと体を起こしセルヴァの腕を取るとそれを確認する為胸元を触る。
「ご、ご主人様!!!」
「あらま、Dカップくらいありそう」
朝起きたら女の子だなんてメルヘンだ。
「魔力の暴走?」
恥かしそうにコクリと頷いたセルヴァは、体が小さくなっていたため服のサイズが合わず、ダブダブサイズYシャツの腕を巻いて着ている。
服の隙間から見える胸は確かに女性そのもので下着を着けていないからYシャツの上からもツンと尖った部分が見えてしまう。
「ご主人様の命令で魔力を使わないで体内に溜め込んでいた弊害だと……」
「無理してた?」
「いえ、体に負担がかかるという事はないんです。ただ制御できない位溜まったみたいで……」
女体化したと。
「ごめんなさい」
「ん? なにが?」
「だって俺が男の方がいいんですよね、ご主人様は」
「壊れにくいという一点においてはね」
酷いことだが事実なのであっさりという。
女性化した所為かいつもより表情が豊かなセルヴァは、明らかに落ち込んでいる。
頬に手を当て、あやすように撫でるとそれに寄り添うようにすりつく。
「でもセルヴァならどっちでもいいよ」
「ご主人様……」
(嬉しそうに笑うその表情が見たくて、酷い事を先に言ったのかもしれない)
無意識にそんな事をしてしまう自分のドSの性能が恐ろしい。
だがそんな自分が大好きだ。
「抱っこしていい?」
答えを聞かずに腕を引いて膝に乗せると頬を染めてもじもじしている。
いつもそうだが今日は特に初々しい、女性的な恥じらいなのだろうか?
柔らかい肉の感触を太ももに感じつつ、これはこれで味わいがあると思う。
「やっぱり異常な状態なので元に戻りたいです」
「うん、いいけどどうやって?」
「体内で淀んだ魔力を放出すれば治るかと」
「魔力の放出?」
いかに俺が悪魔のように性格が悪かろうと悪魔ではないので悪魔の事情はわからない。
首をかしげて不思議そうな顔をするとセルヴァが、外に放出するには大量すぎるので魔具の中に魔力を移し込めばいいと教えてくれた。
「時間かかるの?」
「今日1日くらいでしょうか? 一気に魔力を送ると魔具が壊れてしまうので」
折角の休日なのに勿体無い気もするがセルヴァが決めたのだからしょうがない。
そう休日の予定を諦めようとした時、
「移動くらいなら可能ですけど」
俺の残念そうな様子に気付いたのか、おずおずとセルヴァが伝えてくれる。
可愛いセルヴァ、そんな事を言われたら……。
「ひっ……」
セルヴァが俺の表情が暗く歪んだのを見て自分の失言に気付く。
そんな事を言われたら意地悪したくなるのに決まってるのにね。
「お出かけしようか?」
きっと今凄く悪い顔をしてる。
女性用の服など買ったことは無いが、どうせ買うなら良い物を買ってあげたい。
そう言って遠慮するセルヴァを連れ込んだのは、それなりに有名な女性服の店で俺達が来店すると店員は怪訝そうな顔をした。
それもそのはずでセルヴァは明らかにサイズのおかしい男物の服を着ている上、下着をつけていない。
この店の前までタクシーで来た事を差し引いてもセルヴァは恥かしくて妙な挙動をしている。
「ご、ご主人様……」
「駄目だよ、今日は『正義』って呼ばないとデートに見えないじゃないか」
半泣きのセルヴァは近寄ってきた店員に脅えて俺の背中に隠れる。
「あのお客様……」
「適当に見繕ってくれないか? 服と下着」
ニッコリと店員に微笑む。
店員の方も金さえ払うとわかれば客は客と割り切ったようで、手を奥に向けてセルヴァを招き入れる。
「ごしゅ……」
「『正義』」
「正義さん……、あの、俺……」
「いってらっしゃい」
小さく手を振り、まるで売られる子牛のような目で俺を見るセルヴァを見送る。
俺はといえば店員に招かれて待合室のような部屋でコーヒーをご馳走になって美しく着飾ったセルヴァに思いをはせるのだった。
「立川様」
名前が呼ばれ(おそらくセルヴァがそう伝えたのだろう)カップを置くと部屋の外に出ると思った以上に美しく着飾られたセルヴァに迎えられる。
(ゴスロリ?)
初めこそ怪訝そうだった店員だが、出来上がったセルヴァに満足そうで頬を高揚させていた。
それもそのはず、俺の贔屓目を抜きにしてもこんなにこの服が似合う逸材はないだろう。
ふんだんに使われたレースとリボン、黒と白を基調としつつも暗くさせないデザインに何よりセルヴァ自身の美しさと相まって小悪魔といった風の出来栄えだった。
「とても良く似合うよ」
頬に手を寄せ撫でると、緊張と羞恥でかなり温かかった。
店員達は褒められて照れていると思っているだろうが、これはかなり恥かしがっているようだ。
楽しい、凄く楽しい。
羞恥でプルプル震えるセルヴァを横目にキャッシュ一括で料金を支払う。
値段としては安くは無いが、こんなセルヴァが見られるなら安いものだ。
「あ」
いい事を思いついた。
「スミマセンもう1つお願いしたい事があるのですが……」
「お待たせ」
先に外に出ていたセルヴァが振り向き不安そうな顔をする。
1人で外に出さないから1人だと心細いのかと思ったがどうやら違うようだ。
「スカート短くて気になる?」
「う、……はい」
そんな服を着たことがないのもあるのだろうが、スカートの裾をしきりに気にして手で押さえている。
(ここが公共の場じゃなければめくりてぇな…)
きっと恥かしがってくれるだろう。
そして…………、は、いかん、思考が妖しい。
「ご……正義さん?」
「ああ、なんでもない。行こうか」
いつもなら手を差し出すところで腕を差し出す。
流石に男同士で腕を組んで歩くのには(セルヴァが)抵抗があったらしく、以前拒否された。
さしだした瞬間こそ戸惑っていたが今日だけの機会だ。
「え、えへへ……」
嬉しそうに頬を染めて腕を絡めるセルヴァにたまにはこんなのもいいなと素直に思った。
それからはお決まりのデートコース。
ウィンドウショッピングで店を冷やかして、昼食では別々のメニューを頼みお互いのを味見したり、途中見かけた鳩の群れに突撃したりした。
楽しそうに笑うセルヴァに俺も自然と頬が緩む。
他の男の頬も緩んでいたようだが、セルヴァは俺しか見ていなかったので気付かなかったようだ。
夕方、手を繋いで家までの少しの距離を歩いて帰る。
建物の隙間から見える夕日をジッと見るセルヴァは無言で何かを考えこんでいるようだった。
「ご主人様」
「うん?」
先ほどまで『正義』と呼んでいたのに呼び方を変えたセルヴァに、主人としての俺に呼びかけたことを気付かされる。
「戻っても……たまに遊びに行きませんか?」
振り向いて笑うセルヴァの顔が赤かったのは夕日の所為ばかりではないだろう。
「勿論、一緒に出掛けよう」
そういってセルヴァの手をぎゅっと握ると、セルヴァも微笑んで俺の手を握り返してくれた。
セルヴァが元の姿に戻ったのは、家に帰って割とすぐの事だった。
「ご主人様」
眠っていた俺を軽く揺すりながらセルヴァが声をかける。
もう朝かと思い眼鏡を探すが、今日は休日ではなかっただろうか?
それならまだこのまどろみを楽しんでいたい。
「もうちょっと寝てよう……」
セルヴァを抱き枕にもう一眠り。
腕を伸ばし胸に俺の悪魔を抱き寄せる。
さらさらの髪はいい匂いだし、滑らかな肌は指ざわりがいい。
そして体が触れた胸はしなやかな筋肉がついていていつものセルヴァだ。
背中に腕を回し、さらに抱きしめようとすると慌てたような声でセルヴァが伝える。
「に、荷物届いてますよ!」
「荷物…………、あ!!!」
がばっと起き上がり、届いた荷物を確認する。
そういえば今日届くと連絡があった。
セルヴァが運んでくれたらしく、すぐ傍に用意されていた荷物の包装紙を破いて性急に中身を取り出す。
「なにか通販ですか?」
「いいものだよ」
にこりと笑う。
セルヴァが目をそらし、微妙な表情をする。
勘がいいなぁ、俺のセルヴァは。
「ほら!」
いかにも高級品といった箱を開け、中身を取り出しセルヴァに見せる。
うっと言葉を詰まらせたセルヴァはこれを見たくなかっただろう。
「こ、この前の服……?」
ふんだんに使われたレースとリボン、黒と白を基調としつつも暗くさせないデザイン。
この前の服とほぼ同じ。
違う事といえば……。
「セルヴァのサイズに合わせて作ったんだよ」
「お、俺?!」
畳まれていた部分まで広げるとこの前よりかなり大きい事がわかるだろう。
そう、男のセルヴァ用に特注した物だ。
「プレゼント」
「………」
喉までいらないという言葉が出掛かっているのだろう。
勿論断らせる気も、着ないという選択肢もない。
「今日はこれを着て、遊ぼうか?」
セルヴァの顔が青褪めるのがわかる。
心配しないでもこれを着て外に遊びに行くなんてしないよ。
ただ、俺と1日みっちり遊んでくれれば満足。
「楽しみだね」
嬉しくて笑いが止まらない俺とは対照的にセルヴァは引き攣ったような笑い顔を浮かべていた。
ばいおれんじ様、リクエストありがとうございました!
女体化した事がなかったので初体験でした。
しかし女体化ってこんな感じ……?
もっと可愛くしたり、強引にブラジャー着けさせたりするべきだっただろうか?
どこまで全年齢かを悩んだ作品でありましたw
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