リク8 その3
自分のモノより一回り以上大きい原田のペニスは、口に含むと口内を塞がれる息苦しさを感じる。
同じ男としてサイズにコンプレックスを刺激されない訳ではないが、それ以上に『コレ』がいつも自分の腹の中に入っているのだと思うだけで、下肢がむずむずと疼いた。
じゅぷ、ちゅ、ちゅぷ
ペニスを咥えた口を前後させ、窄めた唇で扱きあげる。
奥まで咥えるとえづいてしまいそうで、あまり奥まで咥える事が出来ない。
時折ぴくんと口の中で揺れるから多少は気持ちよいのかもしれないが、自分でもわかるほど拙いフェラチオ。
もっと気持ちよくしてあげたいと思ってはいるものの、実際の所は歯を立てないようにするのが精いっぱいだ。
「く、くくっ、あいっかわらずヘタクソだな」
くすぐったくもあるのだろう、原田の声には堪えきれない笑いが含まれている。
原田が俺にしてくれる時は凄く気持ちよくてすぐにイってしまいそうな程なのに、同じ口でもこうも違うのか。
歯をぶつけないように口から出すと、ほんの少し顎がだるい。
「やめた方がいいか?」
「ばぁっか、上達してたら『どこの男で練習してきたんだって』俺は泣くぞ? どうだ、ウザったいだろう?」
「凄いウザさ」
今の所思っていたよりも身持ちの固い恋人のお蔭で、俺が浮気に走る予定はないが、実際に原田が泣きついたらそれはそれはウザったいだろう。
恋人として凄く好きだと思うし、こういう感情を愛なんていうのかなーと思わなくもないけれど、そういう感情とは切り離した所でウザいもんはウザい。
「じゃあさ、この機会に練習しようぜ? 竿の部分は一人でする時みたいに手で擦って、先っぽだけ舐めて」
「舐めるだけ?」
「そうそう。自分がされた時に気持ちがいい所を、気持ちがいいようにしてみりゃいいよ」
原田に渡されたローションを手の平で広げると、受け止めた瞬間は冷たかった筈のローションは火照った身体の温度に溶けて、ぬちゅ、とぬかるんだ音を立てる。
ある程度ローションを手の熱で温めると、下から持ち上げるようにして原田のペニスに手を伸ばした。
「ん…ぅ」
ローションで滑る手でペニスに触れると、手の中で原田のペニスはピクンと大きく揺れる。
どんな状態であれ反応が返ってくるのは嬉しくて、原田のペニスを軽く握って前後に手を動かした。
「……っ、あぁ、すっげぇ気持ちいい。なあ春日部、口でもして」
「う、ん」
先っぽだけ、舐める。
ペニスの先っぽ、竿よりも赤みが強くて、熟した果物みたいな、先端。
(なんか、美味しそう)
美味しそうな錯覚に惑わされ、亀頭の形をなぞる様に舌を這わせたのち、鈴口をぺろりと舐めた。
薄く浮かび始めた先走りが舌にねっとりと絡み、微かにしかない筈の味が舌先をくすぐる。
(自分がされた時に気持ちがいい所を、気持ちがいいように)
脳内で原田の言葉を復唱しながら思い出す。
いつも原田がしてくれるやり方……。
(手でペニスを擦りながら、口はえっと、すごくねっとり舐める感じ? ネットリしてるけどローションじゃなくて、唾液?)
原田がフェラチオしてくれる時、熱い舌の腹で全体を扱きあげるように舐めてくる。
あまりにも気持ち良すぎてあっという間に達してしまい、その後お仕置きと称して明け方近くまでイジメられた事があった。
……それを望んで縋り付いた俺も、同罪なんだろけれど。
くちゅ、と音を立てつつ唾液を溜めて舌に絡ませると、唇で亀頭を挟みながら舌を這わせる。
先端から裏筋、カリの裏側にまで丹念に舌を這わせると、汗ばんでいたからか少しだけしょっぱい。
「う、……ぁ、あ……」
断続的に漏れる喘ぎと、頭を軽く引っ掻かれる感触に充足感と被虐心をそそられ、ゾクゾクと背筋が震える。
自分からしたいと言った筈なのに堪え性のない俺の身体は、早く原田を受け入れたくて戦慄き始めていた。
既に硬くなってしまっている自分のペニスを内腿で擦りつつ、原田の鈴口に舌を伸ばす。
粘土の強い先走りは強い性臭を放ち、マタタビを舐めた猫のように身体の芯を失って蕩けていくのを感じた。
「欲しくてたまんない、って顔してる」
「んぷ、……ふ、ぁ」
ポンと俺の頭を軽く叩くと、原田のペニスが俺から離れていく。
条件反射でペニスを追いかけようとする俺の額を原田が制した。
「このまま口に出すっていうのもそのうちやってみたいけど、今日は最近春日部に触ってなかった分も挿入れて感じたい。そろそろ春日部も限界だろ?」
「ひぁっ」
原田は俺を抱きしめるようにしゃがみこむと、空いた手を下肢に伸ばし、あろう事かまだ慣らしてもいない後唇に指を突き入れた。
ひくついていたからかあまり抵抗はなかったものの、突然の刺激に全身がガクガクと震える。
「「あ」」
パタタと床を打つ小さな水音
濡れたペニスの先端、
軽い絶頂の虚脱感
まさかこれって……。
「フェラとお尻の刺激だけでイッたのか? やば、春日部超エロい」
自分の身体が猥らに変えられていく恐怖
感じやすい身体への率直な感想
それは本来なら男としての尊厳を奪う筈のモノなのに、虐げられる事を好む俺の身体は恋人からの酷い言葉に、言い知れぬ快楽を感じて後唇に咥えこんだままだった指を甘く締め上げた。
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