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リク8 その2
「ん……、ふっ」

久しぶりに重なった唇はなぜか凄く懐かしくて、舌に感じる煙草の味すら愛おしい。

我が物顔で口内を嬲る原田の舌は俺の舌を捕えると、緩急をつけて吸い上げた。
ちゅぷ、ちゅ、と泡が弾けるような音が混じる水音が、自分の口内から響いているのだと思うと羞恥で全身が熱くなる。

言葉にしてしまえば舌が触れ合っているだけなのに、足がブルブルと震えて腰が砕けそうになるのは、自分が想像している以上に快楽を欲しているからなのだろうか、それとも原田に触れられる事を望んでいたからなのだろうか?

ギュッと抱きすくめられた身体から力抜けていき、縋るように原田の背中に腕を回した。

熱くて蕩けそうなキスが終わり、唇の間に唾液の糸が残る。
極めて細いそれは重力に逆らえずプツンと切れて胸元を濡らした。

「春日部、すげぇエロい顔してる。口の中、気持ちいい?」

原田が俺に向かって人差し指を差し出す。
指の腹を上に向け、まるで猫の首でも触るかのようにチョコチョコうごめく指に招かれるまま原田の指を口に含むと、指先で上あごをツゥとなぞられる。

「んくっ…、ふ、、ふぅ、ん、ぅ」

日常的に物を食べているから刺激に強そうだと思っていた上顎は、原田の指になぞられた個所からもどかしい疼きを生み出し、俺の身体を震えさせる。

むず痒くて、気持ちいい。

滑らかな表面を原田の指が撫で、俺が舌で追いかける。
時折指に当たった舌先が抗議するように、甘えるように微かな味を感じようと原田の指に絡みつく。

開いたままの口の端からはだらしなく唾液が零れ、顎まで濡らしているというのに、たった一本の指に翻弄されて俺はされるがままになっていた。

歯の裏を軽くこすり口から指を引き抜くのかと思えば、まるでしゃぶる練習でもさせるかのように原田は指を浅く深く往復させる。
擬似的なフェラチオをさせられている状況に微かな羞恥と、脳を溶かす程の快楽を感じていた。

「うわ、やばい。春日部、やっぱり口を弄られるの好きだろ? 口の中凄く熱いし、目が蕩けてる」

「知ら、ふぁい」

嘘だ。
自分でもわかるぐらい、口の中が気持ちいい。

痒くて
熱くて
疼いて

たまらない。

口内に突っ込まれた原田の親指が俺の口をグイと横に引くと、唇は無様に引き攣り、原田の指に唾液が伝う。
だけど淫蕩な俺の身体はそんな刺激にすら快楽を感じとっていた。

「あー、この口にちんぽ突っ込んだら気持ちよさそ……」

「したいのか?」

「そりゃ、まあね」

普段から強引で何かにつけて俺に迷惑をかける原田だが、本気で俺が困るような事はしない。
性的な知識が薄い俺が受け入れやすいようにしてくれているし、たまにSッ気を見せたとしても俺が困れば引いてくれる。

おそらく経験豊富な原田には物足りない時もあるけれど、原田は俺を責めないし急かさない。

(大事にしてくれてるんだよな……)

多分、きっと、おそらく。

「……、する」

「へ?」

とっさに何を言われたのか理解できなかったのか目を瞬かせる原田を尻目に、手を伸ばすとベルトの金具を外していく。

自分で外す時とは方向が逆だから力の加減がわかり辛い。
ジジジ、と無機質な音を立てて降りていくジッパーが耳を微かに刺激して、下からこみ上げる期待に身体がゾクリと震えた。

濡れた跡がある下肢の膨らみにそっと顔を寄せると、濃い性臭にが鼻を刺激する。
溜まっているのかいつもより心持ち大きく見える睾丸には、精液がタップリ入っているのだろうか?

「ちょ、ちょっと待って!」

「やだ」

「やだじゃなく! 流石に風呂入ってからすると思ったし、ソコも洗ってないから! 正直に言えば昨日風呂入ってない!」

慌てている原田の声は聞こえているし、風呂には毎日はいれよと心の中で突っ込みは入れている。
だけど口へのもどかしい刺激だけでは我慢出来なくなった身体は、もっと強い刺激を求めて理性を取っ払ってしまっていた。

(原田のペニス、しゃぶりたい)

張り出したカリで上あごを擦られたい
血管の浮いた太い幹で舌を押さえられたい
ドロドロで濃厚な精液を喉に直接浴びたい

指を下着にかけると軽く下げるだけで原田のペニスはあらわになる。
唇で触れたのも多少刺激になったのか、布地から飛び出した原田のペニスは重力に逆らって勃っており、ちょうど俺の目の前でフルリと揺れた。

「い゛っ! 待てって、待て、お預け!」

犬ならばきっと俺は馬鹿犬だ。
だってこんなにも濡れた先端が美味しそうに震えて、俺を誘っているのに待ってなどいられない。

コクリと喉が鳴った。

「う、あっ!」

舌を伸ばして原田のペニスに触れる。
舌先に感じる微かな苦みと、刺激のある味。

小さな原田の悲鳴は甘い艶を含んでおり、拒絶よりも強い驚愕を感じさせる。
俺だって信じられない。

男の、綺麗でもない、性器を、咥えてる。
しかも嬉々として。

「〜〜〜……、後で怒ったって謝らないからな」

俺の前髪をくしゃりと撫で上げて上向かせると、眼元に欲を湛えた原田と目があった。
きっと原田の目から見て、俺は酷い顔をしているだろう。

だって、こんなにも、
男のペニスを咥えて感じている。


あきゅろす。
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