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リク7 その4
「すげぇよな、あの狭い穴がここまで広がるんだもん」

「ぎ、ぃっ?!」

ディアズ様の指が悪戯に結合部を撫で、俺の身体は大きく揺れる。
そもそも挿入の感覚にまだ慣れず、胸で息をしている俺に対する所業か、これは。

「ちょっ、どこ触ってるんスか?!」

「あん? どこってそりゃ尻だろ」

「そうじゃなくて、さ、触らないで下さいよ!」

「触るだけじゃなくて突っ込んでるのに今更じゃねぇか?」

「別 問 題 です!」

今更と言われればそうなのかもしれないが、受け入れるのにまだ慣れていない俺にとってそこに触れられるのはすごく抵抗がある。
ちゃんと手入れはしているけれどなんだか汚い気がするし、なによりディアズ様のでかい性器を自身で受け入れているなんて考えただけでも眩暈がしそうだ。

それに、実は触れられるとちょっとつらい。
ディアズ様を受け入れたそこはポッテリと腫れて熱を持ち、少し触れられただけで痺れるような快楽を産む。

「触んなっつーなら触んねぇけど…」

「けど?」

言葉になにか含みを感じて聞き返した俺に、ディアズ様は口角をクッと上げて笑う。
悪魔らしい、残酷な、妖しい笑い方。

「凄く気持ちよさそうな顔してんぞ」

「っ!? あっ、んん…っ!」

突然腰を揺らされて、濡れた結合部がにちゅりと音を立てた。
強烈な違和感とそれを打ち消すほどの快楽に、自分の声ではないようないやらしい喘ぎが止まらない。

「ふぎ…、ぁあ…あ」

「動くぞ」

「まっ、ぃああああっ?!」

裏筋に浮いた血管から、張り出したカリまで具に感じられそうなほど敏感になっている内壁を強く逆撫でられて悲鳴が漏れる。
生理的な涙が眦に浮かんで視界が潤んだ。

荒々しい動きではないけれど長大なディアズ様のペニスで後唇を貫かれ、串刺しにされた肉の気持ち。
肉がこれほどの気持ちよさを感じているのかは知らないけれど。

「や、ぅうっ!」

小刻みに痙攣する身体をディアズ様の手が満足そうに撫で、ツンと尖った乳首を指の腹で押し、転がす。

元々は小ぶりで寒い時にツンとするぐらいだったはずの乳首は、店長やディアズ様が散々弄ったせいで、今や少しの刺激でも立ってしまう。

それに以前よりも刺激に弱くなった。
指の腹で押されただけで全身が戦慄き、下肢が甘く痺れるほど気持ちがいい。

「くっ、はは、きゅうきゅう締め付けてきやがる」

思わず力の入ってしまった下肢が痛かったのかディアズ様は表情を少しだけ歪めたけれど、その反面なぜか嬉しそうに笑う。

「なんか、嬉しそう、です、ね」

「そりゃ嬉しいだろ、こんなに感じてくれてんだから」

ディアズ様は俺の手を恭しく持ち上げると、指先にキスをする。
まるで物語のお姫様にするように甘く優しいキスは身体よりも心にゾクリとするような快楽をうんだ。

「自分だけ気持ちよくなりゃいいって思ってたけど、こうしてアシアが気持ちよさそうにしてるの見ると今まで損してたな。身体とは別の気持ち良さがある」

ディアズ様も俺と同じような事を考えていた偶然になんだか俺も笑ってしまう。
こうして身体を合わせる事で思考までシンクロなんてあるのかな?

「ディアズ様」

「ん?」

汗で濡れた俺の肌をディアズ様の手がゆったりと撫で、このまま眠ってしまいそうなほど心地よい動きに頬が緩む。
この手が多くの悪魔を恐れさせ多くの命を奪った恐ろしい手だと知っているのに、俺を撫でる動きは優しくて、すごく嬉しい。

「もっと気持ちよくしてください」

「…っ! てめっ、この野郎! 俺は我慢してやってんだぞ、……あんまり煽るな」

「だって俺、今すごく気持ちいいんです。身体も、心も」

動きを止めていたディアズ様の手をせかすように軽く噛む。
俺の汗がついた指は、舌先にしょっぱい味を残した。

「お前……、本当はものすごい悪人なんじゃねぇか? あいつも俺もお前の手のひらの上な気がしてきた」

「嫌?」

ディアズ様に向かって腕を伸ばし、わざとらしく小首を傾げる。
目つき悪い下級淫魔の魅了なんて効果がほとんどないに等しいはずなのに、ディアズ様の顔は真っ赤で彼が俺の罠にかかった事を知る。

きっとこれは好きの補正が多分にあるんだろうな。
好かれてるって、気持ちがいい。

「は、ア…っ!」

グッと身体を押さえられ、一層奥までディアズ様のペニスが入ってくる。
さっきよりも大きくなっているのはきっと気のせいじゃないだろう。

「……悔しいけど嫌じゃねぇ」

耳元で囁かれたのは確かに敗北宣言で、下級淫魔の俺が上級悪魔のディアズ様に勝ってしまった。
びっくりするような、嬉しいような、申し訳ないような、複雑な気持ちだ。

「じゃあもっと気持ちよく、して?」

ディアズ様の首を抱えるようにして抱きしめて、腰を軽く揺らめかせて誘う。
淫らなしぐさに自分でも恥ずかしさが湧くけれど、それよりももっと隠しておきたい事がある。

絶対に今、俺の顔も赤い。

(こんなに心地よい好きに中てられ続けたら、好きになったって不可抗力だよなぁ)

ディアズ様も店長も2人とも気持ちよくしてくれて好きだから俺にはどちらとは選べそうにないけれど、もし両方の手を取っても許されるのなら……

「ひぅ、んあ、あっ、あぁア…っ!」

俺の頭を過ぎる甘い考えはディアズ様のくれる快楽でほろほろと崩れていく。

(ま、いっか……)

今はただ与えられる快楽に酔っていたい。
どうしようもなく淫魔な俺は極上の快楽にその身を委ね、ディアズ様の背中に指を絡めた。



しきかわ様リクエストありがとうございました!
楽しんで頂けたら嬉しいです。

まだまだ恋人という状態ではない2人をいちゃいちゃさせるのが楽しかったです。
恋人未満なのはいいですね。




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