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リク3 その4
節くれだった勇者の指が、事の他優しく内壁をなぞる。
時間をかけて慣らされ、熱く熟れた肉襞は蠢く勇者の指に縋りつき、チュクリと密かな音を立てた。

「あぅ……っ、は、あぁあ…っ!」

指先が気持ちのいい箇所を掠る度に背中がしなり、喉から抑えきれない喘ぎが零れる。
それはまるで自分の声ではないような、明らかに媚を含んだ声で全身がカァッと熱く火照った。

痛みが無いように丹念に解してくれているのはわかっている。
だけど煽られた身体はズクズクと疼き、固く張り詰めたペニスからはトロトロと透明な液を垂らしていた。

「ぅ、あ、……ぁ、もう…」

後唇を弄る勇者の手を後ろ手に止めると、頭をベッドに押しつけて尻をクッと上げる。
交尾を強請るケダモノの格好に恥かしさがない訳ではないが、もう彼を欲しがる自分の欲望は我慢の限界だった。

「まだ慣らしたんねぇから、痛ぇぞ?」

「痛くてもいいから、して……」

「っ、くそっ! 俺だって我慢してんだから煽るんじゃねぇよ!」

「ふぁああっ!」

勇者の大きな手が尻肉を掴み、グニグニと揉み解す。
荒々しい手の動きなのに痛みはない。

それ所か酷く気持ちよくて、ヒクヒクと後唇が疼く。

ヌチと微かな水音がしてヒクつく後唇に彼のペニスが触れる。
先端で軽くトントンとノックされ、今から自分の中に彼が入ってくるのだと改めて思い知らされ、震える。

「怖い、か?」

コクンと頷いた俺の髪の毛を、勇者が丁寧に指で梳いた。
優しい手の動きに全身がフルリと震え、頬に涙が伝う。

「夢みたいで……、起きたら消えてしまいそうで、怖い」

「……、アホか、夢になんてしてやんねぇよ」

零れた涙を勇者の指が掬い、口元に笑みを作りながらペロリと舐めた。

こんなに幸せでいいのだろうか?

「ゆっくりするから息吐いてろ」

「ん……、は、ぁ……」

グッと腰が押し当てられ、ジワジワと襞を広げていく。
彼の大きなペニスが自分を支配していくのは、とてつもない痛みで、計り知れない快楽で……。

ズッ――……ッ

「ぁ゛あああっ、あっ、あ゛、ぁああっ!!!」

衝撃と共に目の奥が赤く染まる。

幾度となく戦闘を重ね、沢山の怪我もした。
剣で斬られた事もある、爪で肉を引き裂かれた事もある、魔法で皮膚を焼かれた事もある。

だけど今、この身体に受けている痛みはそのどれとも違って、内側から引き裂かれるように痛いのに、心が満たされ酷く幸せだった。

「んく…っ、はっ、…は、ぁ」

ハアハアと荒い呼吸をしながら身体から力を抜こうと、息を吐く。
体内に押し入ってくる痛みは徐々に引いていき、ジワジワと奥から生まれる疼きはきっと快楽と呼ばれるモノ。

「全部、入った」

「あ、ぁ…、すご…ぉ」

違和感を感じる腹部を手で軽く押さえると、繋がった部分から感じる鼓動が心地いい。

彼が好きで、憧れていて、まさかこんな日が来るとは思わなかった。
何か気の利いた事が言えればいいのに、喜びに打ち震える俺はただ涙を零すしか出来ない。

それでも伝えたくて、彼に必死に手を伸ばした。

「好き」

掠れた声で紡がれた言葉は彼の動揺を誘ったようで、

「〜〜〜っ!」

「ん、ぁああっ!!!」

ビクンと大きく身体が揺れたかと思うと、腹の奥に熱く濡れた感触が広がっていく。
ドクン、ドクンと大きく蠢くペニスは同じ男なら経験のある絶頂の証で……。

「えっと、あの……」

「煽るなって言っただろうが!」

「え、えぇっ! 俺が悪いのか!?」

「お前が悪い!」

眉根に深く皺を刻みつつ、勇者が俺をギロリと睨んだ。
なんだか理不尽だ。

だけど徐々に頬を赤く染めて、耳元で小さく

「そんなに可愛い事を言うお前が悪い……」

なんて言う。

俺にとっては彼が愛おしくて、可愛い。
自然に重なった唇はゆっくりと深くなっていく。

初めて触れた肌の感触に溺れるように、もっと深く、お互いの境界がなくなる程に身体を繋げた。




「……ごめん」

「あ? 別にいいじゃねぇか、この国の恩人なんだし1日2日滞在が伸びたって文句なんか言われねぇよ」

幸せな性交とは裏腹に戦闘でダメージを負った身体には無理があったらしく、今俺はベッドの上の住人である。
王や国の人達に恩を着せたい訳でもないので早めにしたかったのだが、今のまま旅立っても行き倒れてしまう。

宿の人が好意で用意してくれた瑞々しい果物が喉を優しく癒していく。
甘さが疲れた身体に心地いい。

「身体、大丈夫か?」

「えっ、あっ! ぅ、うん……」

身体の何処を心配されているのかに気付き、カァっと頬を朱に染める。
彼を受け入れた場所は今もズクズクと疼くように熱いけれど、凄く痛いという訳でもない。

(丹念に解してくれたからかな)

優しく俺に触れた指の感触を思い出し、火照った頬を誤魔化すように果肉を齧ると、プチュっと音を立てて果肉が潰れて頬を果汁が伝う。

「わっ、タオル……!」

慌てる俺を勇者が手で制止して、頬をザラリとした感触の何かが伝った。
もしかしなくてもそれは彼の舌で、俺の頬から離れる瞬間、カプリと軽く歯を立てる。

「〜〜〜っ、な、舐めっ、噛んだ!」

「ああ、あんまりにも赤いから果実かと思ったわ」

ニヤリと口角を上げる彼に、俺は言葉を無くした。
恥かしくて恥かしくてたまらないはずなのに、胸の鼓動は明らかに喜びで高鳴っている。

「もう1週間ぐらいのんびりしてもいいかもな」

「し、しない!」

こんなに幸せな空間にいたら、幸せで蕩けてしまう。
きっと圧力鍋で煮込んだみたいに骨までトロトロだ。

「勇者の助けを待っている人がたくさん居るだろう、また旅に出ないと」

「ま、そうだな」

俺は彼についていく。
幾重の困難が降りかかり、今回のように危機に陥る事もあるだろう。

だけど俺の幸せは、彼の隣にあるのだから。




カナタ様、リクエストありがとうございました!

まさかこのキャラともう1度対面する事になるとは思いませんでした。
気に入ってくださって嬉しいです!

前作がモダモダしていたので、今回はひたすらいちゃいちゃさせてます、ラブラブ。
お互いに背中を任せられる、公私共に最高のパートナーです。



あきゅろす。
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