[携帯モード] [URL送信]
リク2 その4
「随分と懐いたね」

パンパンとおざなりな拍手が乾いた音を立て、その音にガルディラはビクリと身を震わせた。
正気ではない状態にあった彼にはやはり招かれざる客が見えていなかったらしく、その顔は見る間に真っ赤に染まっていく。

「ぼ、ボス?! セルヴァ様も?! な、なんで居るんスか?!」

俺と話す時とは違う口調をどういえばいいのだろう、不良が自分の目上だと思う人に話す似非敬語?
とりあえず敬語ではないのだが、それっぽい喋り方。

「君が不調だと思った彼に呼ばれてね。それにしても随分と可愛らしく甘えるものだ」

クスクスと笑う声にガルディラは恥かしそうに身を縮めて、俺の胸に顔を埋めた。
尊敬していると言っていたし、痴態を見られるのは凄まじく羞恥を煽られたのだろう。
だが、こちらをジッと見据える視線はまだ終わりではないと告げる。

「ガルディラ」

「え……っ! なあ…っ?!!」

膝の上でガルディラの身体を反転させ、俺の影に隠れていた全身を彼らに晒す。

「ぃ…っ、ヤダ、やだぁっ! ケータ、何でっ!」

「駄目、全部見せるんだ」

俺だって本当は見せなくなんて無い。
全て独り占めして、大事に大事に可愛がってあげたいのに。

だけどコイツらは見せなければ絶対に帰らないだろうし、何よりもガルディラはこんな状況で1番反応がいい。
無自覚だけど、本当に恥ずかしい状況に感じてしまうのだろう。

「やらぁああ……」

泣き声混じりの悲鳴は欲を含んで、俺を誘うようにも聞こえる。
煽られるまま欲望に身を任せ、自身を思い切り突き入れ、抉り、泣かせたい。

(クソ……ッ)

脳を支配する凶暴な感情を押さえつけ、唇を噛んだ。
悠然と微笑む男を睨みつけ、吐き捨てるように宣言する。

「最後まではしないからな」

ガルディラはまだ受け入れた事が無く、強引に身体を割り入って傷つかない筈がなかった。
もし仮に痛みで感じる性質だとしても、俺自身が彼の苦痛を許せない。

「好きにするといい、ガルディラの調教は君に一任してある」

しばらく視線で応酬を続けるが、外道からは何の他意も感じられなかった。
俺程度に悪意を感じさせるとも思えなかったが、今はとりあえず信じるより他はない。

利き手の中指を口に含むと舌を絡めてたっぷりと濡らし、ツゥとガルディラの張りのある肌を滑らせ太腿を指で擽る。
ヒクリと蠢く太腿の付け根、奥まった箇所を指で軽くつついた。

「くひぃ…っ!」

「痛くしないから力を抜いて」

ブンブンと首を振って拒否するガルディラの耳によく聞こえるよう、息が触れるほど傍で囁く。

「力を抜け」

ガルディラの身体がビクンと跳ねた。
見開かれた瞳からは涙が零れ、信じられないモノを見るような目で俺を見つめる。
まさか命令されるとは思っていなかったのだろう。

だけどそんな非情な命令にもガルディラの身体は敏感に快楽を感じ取り、逆の手で軽く握ったペニスはヒクヒクと戦慄いていた。

「あ……、ぁ、あ」

ゆっくりと、だが確実に身体から強張りが消えていき、ヒクヒクと蠢く後唇は濡れた指をゆっくりと咥え込んでいく。
挿入に慣れないそこは指1本でも違和感が凄いのか、指をキュッ、キュッと締め付けてうねる。

「痛くない?」

「痛く、な、っ、ぁ……」

吐き出す吐息は熱く、時折甘い喘ぎが混じった。
違和感の中から快楽を拾い出そうと必死なのだろう。
指の腹で内壁を優しく押し広げながら、ペニスを優しく扱きあげた。

「くふ、ふぁ…っ、あぁああ……っ!」

身体を軽く反らし快楽から逃げようと身を捩るガルディラの後唇から指がずるりと抜ける。
それは指の中程まで抜けたものの、全ては抜けきらずに止まった。

徐々に体勢が戻っていくにつれ、まるで指でピストンしているような気分になっていき、少しだけ悪戯な気持ちも手伝って、指をクンと突き入れてみる。

「んぁあっ!!!」

指で何かを押し上げたような感覚がした。
そう思った瞬間、ガルディラの身体が大きく震えて、手の中でペニスが暴れる。
絶頂を感じさせるその動きに逆らわず、全て出させる為にガルディラのペニスを激しく扱きあげた。

「ほら、見てもらいな」

「ゃ、あぁあああっ!!!」

羞恥に全身を紅潮させながら、ガルディラは絶頂する。
ヒクヒクと戦慄くペニスから勢い良く精液を飛ばし、後唇で咥え込んだ指を強くしゃぶりあげた。

2回目なのに大量の精液が床に零れ、パタパタといやらしい音を立てる。
ヒクンと大きく痙攣した身体に合わせて残滓がピュッと飛んだ。

「く、ひぃ……あ、ぁ」

「お疲れさん」

零れる汗を拭いながら頬にキスをすると、ガルディラの身体から力が抜けていく。
荒い息をしながら俺にしがみつくその様はとても可愛らしい。
……やはり、こういう意味で好きなのだろうか?

「ぅ、あ……っ」

後唇から指を引き抜くとガルディラが小さな悲鳴を上げ、ヒクリと身を震わせる。
どこか痛いのかと尋ねようとした瞬間、何かがカツンと床を叩いた。

「へ?」

「あ……」

コロコロと割れる事無く床を転がるそれに誰もが言葉を発せない。

知識としては知っている。
種類は違うけれど見た事だってあるし、スーパーにいけば売っている。

静まり返った部屋の中、悪魔がスッと動き『それ』を拾い上げ俺に渡す。

「無精卵だから食べてしまったらどうだ?」

「食えるか!!!」

なんて恐ろしい提案をするんだ、悪魔か、悪魔だった!
展開が急すぎて付いていけない。
流石の外道もこれには驚いたのか、口をぽかんと開けて間抜け面だ。

「えっ、どういう事だ? というか、ガルディラ、オスじゃないのか?!」

「オスでも卵ぐらい産むだろ?」

「産まねーよ?! なにその常識」

「竜族は割と産む」

「マジか……」

まだ好きなのかどうかすらわかっていないのに、なんか変な問題を抱えてしまったような気がする。
いやもう卵産もうが産むまいが、ガルディラは可愛いのだが。

「梶原クン」

わざとらしい『君』付けに嫌な気分になりながら振り返る。
満面の笑みが胡散臭い。

「……んだよ」

「有精卵が出来たらわけてくれ、ペットに良さそうだ」

「お前にだけは絶対にやらん!!!」

ガルディラとその卵を抱きしめて、外道から距離を取るとクスクスと楽しそうに笑われた。

疲れている所為かガルディラはキョトンとしていたが、丸い卵を見つめながら、ふにゃりと表情を崩し柔らかく笑んだ。
罪のない笑顔につい和んでしまう俺は本当にどうしようもない。



陵様リクエストありがとうございました!
2人のペースでゆっくり進ませる意図もあって本番までは至りませんでしたが、楽しんで貰えたら嬉しいです。



あきゅろす。
無料HPエムペ!