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リク2 その3
「あのさ……」

「うん?」

「なんで帰らないの?」

椅子にドカリと座り込み、帰る気配を見せない主従にそう問えば、にこやかな笑顔でこう返される。

「楽しそうだから」

もう言い返す気にもなれない。
俺がどう言おうともこの外道は引かないだろうし、悪魔が居る限り実力行使も無理だ。

(というかそもそも俺が1番弱いし)

人に見られながらする趣味は無いが、今は早くガルディラを楽にしてあげたい。
抱きかかえたガルディラの頬を軽く叩き、うつろな意識を覚まさせる。

「ガルディラ、人間の姿になれるか」

「……ん」

小さくコクンと頷くと、ガルディラの身体が目の前で形を変えていく。
いつ見ても不思議で自分の常識ではありえない光景なのに、何故か凄く綺麗に見えた。

人の身体に変わったガルディラは、力無く俺の身体にもたれかかる。
それだけ身体に上手く力が入らないのだろう。
汗ばんだ頬を手の平で撫でると、手に体重を預けるようにこすり付けた。

「は、ぁ…、ケータ、」

胸元にかかる熱い吐息に腰がズクンと重くなる。
ガルディラと暮らし始めてからすっかりご無沙汰だったのもあって、自分も酷く興奮していた。

「うん、ここに居るよ。服、脱がせるからな」

「ぅ、…ん」

服の端から手を通し、子供にするように腕の上げ下げまでしながら服を脱がす。
嫌がる事無く素直に手足を動かしてくれるものの、俺のもたれかかっている所為でとても脱がし辛い。

「ふぅ、……ぁ、あ、……ぅ」

モジモジと身を捩るガルディラを焦らすつもりはないのだが、如何せんなれない作業に手間取ってしまう。
その間もニヤニヤと好奇の視線を向ける外道が気にかかって仕方が無い。
見るな、クソッ。

服を全て脱がしてしまうと、その引き締まった体躯が露わになる。
健康的で張りのある肌には玉のような汗が浮かび、妙に色気を感じさせた。
発情していると言っていたが、その影響なのだろうか?

視線を下ろせば確かにペニスは勃ちあがっていて、欲情しているのはわかる。
ヒクヒクと震え触って欲しいと訴える様は、淫らとしか言いようが無かった。

「触るからな、嫌だったら言ってくれ」

「ふ、へ……?」

状況が読み込めていないガルディラの返事を待たず、勃ちあがりガチガチに硬くなったペニスに指を這わせる。
熱く火照った肌より一層熱いそこは、少し触れただけなのに過剰に反応を返した。

「ひゃうっ!」

ガルディラの身体がビクンと跳ね、プルプルと何かを耐えるよう小刻みに震える。

「痛い?」

「だ、いじょ、…ぶ、きもち、いい」

顔が見えなくて判断材料が少ない俺は、その言葉に従って指をペニスに絡めた。

「あっ、あぁ……っ、あっ、あっ」

強すぎる刺激は辛いらしく、ゆっくりと指を動かして優しく刺激する。
たまにタイミングをずらして指に力を入れると、蜥蜴のような尻尾がピクピクと戦慄くのが何だか可愛い。

ニチュニチュと滑る音が響き、ガルディラのペニスの先から垂れた先走りが指を濡らす。
先走りですべりが良くなった指を輪にして、根本から先端へと擦り上げ指でカリの裏を擦ると、肩にピリッとした痛みが走った。

「い゛っ!」

不意の痛みに眉を顰めそちらを見れば、ガルディラが俺にしがみついたまま肩にカプカプと齧り付いている。
一瞬嫌がっているのかと思ったがその表情はトロトロに蕩けていて、嫌がっているというよりは気持ちいいのを必死で耐えているように見えた。

「イきそう?」

「わかんな……っ、俺、なんかふわふわ、して、腰がゾクゾク、するっ」

実年齢は俺より上でも、おそらく長生きな竜からすれば若いガルディラは性的に未熟なのだろう。
自分の感覚を見失って慌てるガルディラの背中を、手の平でポンポンと軽く叩いて安心させる。

「凄く気持ちよくなるとそうなる」

「……ケータも?」

「うん」

「そっかぁ……、良かった」

ふにゅりと安堵して表情を崩すガルディラは、俺を信用しきっているようで柔らかく笑った。
その安心しきった表情に言いようの無い充実感を感じてしまう。

でもそれは自分が頼られた事が嬉しいというよりも、もっと暗く澱んだ浅ましい感情。
その人物の内面を覗いたような、支配したような、暗く歪んだ欲望。

視線を感じ顔を上げると、外道と目が合う。

『お前も俺と同じだ』

と言葉にせず、口元の笑みだけで訴える男に、吐き気すら感じるのに否定できない。
普通とは言えない快楽に、確かに心が震えた。

暗い考えを振り払うようにガルディラのペニスに指を這わせる、緩急をつけて扱き上げるとトロトロと濃い蜜が鈴口から垂れて、幹を白く濡らしていく。
先走りに精液が混じり始め、太腿がヒクヒク痙攣しているからもうそろそろ限界だろう。

輪を縮めてきつく握り、思い切りペニスを擦り上げた。

「ひっ、あっ、アァッ! けー、たっ、やぁあっ!」

左右に頭を振って強い快楽から逃げようとするガルディラを押さえつけ、一層強い快楽を植えつけていく。
胸元に感じる生温い液体は涙だろうか?

クパクパと開閉を繰り返す先端の穴を指で穿ち、射精を促すとビクンと大きくガルディラの身体が揺れた。
しなやかな体躯がピンと伸び、全身が硬直する。

「っ、ぃぁああああああああああっ!!!」

絶頂を迎えた身体はビクッ、ビクッと痙攣し、快楽の証である精液をペニスから吹き出した。
トロリとした液体が指に、腹に飛び散り肌をねっとりと刺激する。

「あ……、あ、あっ、あぁぁ……」

ヒクヒクと上下するペニスからはトロトロと蜜が零れて俺の脚に淫らな跡を残し、時折ヒクンと大きく身体を蠢かせながら、ガルディラは絶頂の余韻に震えていた。
背中を支えていた手で額から伝い落ちた汗を拭うと、目元を赤く染めたガルディラと目が合う。

「けー、た」

薄く開かれた口から俺の名前が零れ、赤い舌に誘われるように唇を重ねた。
蕩けるように熱い口内で、貪るようにお互いの舌を絡めあう。

「ケータ、もっとして」

甘えた声で囁かれて普段の俺なら即座に頷いただろう、だが今は少しだけ言い淀む。
俺にすりつくガルディラの視界には入っていないのだろうが、俺の視界からは良く見える悪夢のような光景。

にやついている外道と張り付いたように表情を変えない悪魔。
本当に帰れ、お前ら。


あきゅろす。
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