[携帯モード] [URL送信]
リク1 その2
「準備出来た?」

「は、……ぃ」

頬を赤く染め視線を泳がせたセルヴァは、恥かしそうに服の端っこを握る。
そんな羞恥にまみれた顔をされたら

人間に擬態している為柔らかな茶色の髪に包まれた頭に角はなく、薄手のシャツと黒のズボンというシンプルなもの。
どちらかといえばタイトな服装を好むセルヴァが、今日に限って緩いズボンを履いているのかと言えば理由がある。

「確認」

「あっ…!」

身体をグッと引き寄せて、ズボンの上から尻肉を揉む。
筋肉で覆われ引き締まった肉は女性的な柔らかさこそ無いものの、キュッと張って触り心地がいい。
両手で左右に押し広げ、その中心の一点を指で軽くつつく。

「ひっ」

ビクンと大きく身体を揺らしたセルヴァが俺の身体に縋りつき小刻みに震えた。
耳元で聞こえる息遣いは荒く、俺にしがみついた腕の力は強い。

軽く動かしていた指を布地ごとつきいれるように押し上げ、内壁をグリグリと抉った。

「っ、うあぁっ!」

「……ちゃんと入っているね、いいコ」

グニグニと指を動かして刺激しながら、セルヴァの頭を撫でる。
目元を赤く染めて瞳を潤ませたセルヴァは俺の声に一層顔を赤くして俯いた。

セルヴァの後唇に入っているのは棒状のローターで、それほど大きいものではないがワイヤレスで振動を調節出来る物だ。
勿論リモコンは俺が持っている。

「まだ動かさないから大丈夫だよ」

「……まだ?」

「まだ」

いつ動かすとも言わないが、いずれ動かす事を示唆しておく。
そうすればいつ動くともわからないローターを常に意識してしまう事になるだろう。

「じゃあ行こうか」

ニコリと笑んで、ドアを押し開いた。



夜とはいえ一応公共の場である路上でセルヴァが不必要に俺に近づきすぎる事はない。
それは一般常識的な考えであったり、セルヴァが俺を上と見て遠慮しているという事だろう。

「ふ…、ぁ」

微かな声を漏らしどこかたどたどしい足取りでついてくるセルヴァは、まるで鳥の雛のようだ。
親鳥の後ろを必死で歩き、見失なわないように懸命に追う。
本当の親鳥ならば心が温かくなるような光景だろうが、残念ながら俺は親でもなければ善人でもない。

「セルヴァ」

「は、はい」

「コンビニに行って軽く摘める物を買って行こうか」

「え……」

セルヴァの顔が青褪める。
後唇にローターをくわえ込んだまま、人が居る場所に行く事になるなど思っても居なかったという表情。

セルヴァは俺に虐められるのを好むが、他の者に対してはそれが一切無い。
実力に裏打ちされた高いプライドが、他人に見下されるなどと言う状況を許さないのだろう。

だからこそあんなにマゾヒストなのに俺と出会うまで綺麗な身体で居られたのだとそれに感謝したいくらいだ。

でもだからこそ、セルヴァには刺激になる。
自分の見下す者に恥ずかしい姿を知られてしまうかもしれない。
自分が蔑む者の前で感じてしまうかもしれない。
そんな負の刺激。

夜だというのに不必要なまでに明るいコンビニの前まで来れば、車も疎らにしか止まっておらずそれすら店員の物のようで店内には暇に欠伸を噛み殺す店員しか居ない。
扉の前まで来てもまだ思い切りがつかないのか、セルヴァは不安げに俺の服の端をキュッと摘まんだ。

「ご、ご主人様、あの……」

「うん? どうしたの?」

セルヴァに向かいニコリと笑って見せる。
主である俺に意見なんて出来ないセルヴァは何か言おうと口をモゴモゴと動かすけれど、上手い言葉が見つからなかったようで、力なく肩を落とした。

まあもし上手い言葉が見つかったとしても幾らでも言いくるめられるし、こういう時の自分の舌は驚く位滑らかに動く。
天性の詐欺師だとか真実が言っていた気がするが、強ち間違っていない気もする。

使い所を間違っているだけだ。

「いらっしゃいませー」

キィと軽い音を立てて扉が開くと、店員はこちらを向き緩々と姿勢を正した。
深夜のバイトだからそこまで厳しく対応を指示されていないのだろう、こちらもそこまで期待していないので不快感はない。

不意に視線を感じチラリとその視線の先を見れば、店員はセルヴァの方を凝視していた。
女性的では無いものの美しいその顔立ちは視線を集めるには十分で、今日は状況も相まって壮絶な色気をかもし出している。
我を忘れて見てしまうのも当然と言えた。

だがセルヴァにはそんな事情は理解出来ず、何故店員にジロジロと見られているのか判らず視線を恥かしそうに動かすばかり。
もしかしてばれているのではないか、どこか変な所があるんじゃないかと身を捩る。

(ふむ……)

この店員は使えそうだ。
勿論セルヴァに指一本触れさせる気は無いけれど、だからこそ効果的に使える。

「セルヴァ、悪いけど適当に飲み物選んでもらえるかな。大き目のサイズの奴がいいな」

「はっ、はい、ごしゅ……正義さん」

突然呼ばれた事で少し驚いたようだが、ご主人様と普段のように呼ばなかったのは賞賛に値するだろう。
今のセルヴァの頭の中はいやらしい考えで一杯なのだから。

セルヴァは美しい足取りでガラスケースの前に行き、しばらくどれにしようかと飲み物の前でウロウロしていたが、どれにするか決めたのか冷蔵棚の扉を開き身体をかがめた。
身体をかがめた瞬間、中に入っているものの存在にセルヴァが小さく声を漏らす。

そのタイミングを見逃さず、俺はポケットに入れたローターのスイッチを入れた。



あきゅろす。
無料HPエムペ!