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最期のことばは届かない
(関平×星彩 死ねた)





嗚呼これが最期になろうとは





真っ暗な牢のなかで一人、彼女の事を考えていた。


樊城の戦い。
この戦は我ら蜀軍にとっては
非常に哀しみ深いものになるであろう。


拙者と父上は明日、斬首される。

ざんざんと降りしきる雨の中でただひたすら敵を斬った。
返り血は雨に流され、足元には屍の山。
斬れども斬れども敵の勢いはとどまることを知らず。
疲れがピークに達していたとき
左腕を何者かの刃に斬られ、気が付いたらひっくりがえってた。
そうして幾ばくか浅く足や肩を斬りつけられ。

目の前が真っ白になった。

遠く、父上の拙者を呼ぶ声が聞こえたような気がした。






はっと気が付くと、そこは孫呉の兵が見張っている牢獄だったのだ。

見張り兵の会話から、父上も捕縛されたことを知った。が、こうして牢の中で鎖に繋がれている拙者がどうこう出来るはずもなく。

肝心な時に役立てない自分に、酷く後悔をした。





ぼぅ、と あぁ自分は死ぬのだ、と。
そこはかとなく考える。

なんと格好の悪い最期なのだろうか。
自害をしようにも、懐刀も斬馬刀もない。



明日、斬られた拙者の首をみて
あの愛しい女の子はなんと思うだろう。

悲しいと、涙をながしてくれるのか、
それとも馬鹿な奴だと、呆れるのだろうか。

そんな想像したって彼女がどうするか解る術もない。


嘲笑がこぼれる。
自分の不甲斐なさに吐き気がする。


嗚呼、決めていたのだ、
この戦に勝ったら、募る想いを打ち明けようと。

そうして想いが通じたら
張飛叔父上に 星彩を嫁にと、婚礼を申し込むつもりだった。



幸せな未来を思い描いてた。


しかし現実はそう甘くなく。

婚礼どころか、このどうしようもない熱情もまだ伝えていないのに。







空が明るくなってきた。
兵のざわめきが聞こえる。

いよいよだ。





どうか幸せになって。

そうしてたまに、ほんの少しだけ拙者の事を思い出してくれたら。


(あいしているんだ、きみを。)

拙者がきみを 幸せにして あげたかった。













end

09.04.26

平→星ではありません
平×星です(言い切る←←

星彩伝の樊城は悲しかったですね…
ぺぃいいい!!!!…な感じで。


あぁなんだかもう平ごめんよ…

*やっぱりこちらも史実とは違います。






あきゅろす。
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