天然素ボケ男流川
「流川……」
「あ?」
「抱いてくれ…!!」
その時ズサーッと扉の向こうで約二名が滑った音がしたが、今の二人の耳には入ってはいなかった。
─部室前廊下─
「宮城!!!どえらいことに…!!」
「ど、どうしましょ三井サン…」
「ここは止めとくべきだろ普通に考えて!!」
「や、けど花道に恋心が芽生えて…」
二人がブツブツと小声で騒いでいる間にも事は運んでいく。
「俺こんな気持ち初めてだ…なんかよく分かんねぇけど女になったみたいな変な気分で…体が熱い…」
素直にそう話し、恥ずかしそうに頬を赤らめる花道を見て流川は思った。なんて可愛らしい奴なんだと。今まで気付きもしなかった花道の意外な一面に驚いた。流川は自分の今生まれたこの感情に酷く戸惑ったが、花道が今日に限ってはあまりに素直に流川の行為を受け入れるもんだから、ついつい流川も素の自分を出してしまった。
「流川…変になった俺を見て嫌いにならないでくれよな……今はホントなんか変になってるんだ、俺」
流川は思う。犯ってしまおうと。真っ赤になって腰が砕けたように座り込もうとした花道を思わずギュッと抱きとめる流川。
「桜木、オメェいつもそうしてりゃ可愛いのに」
「ぬ…」
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