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「なぁ、女ってヤッてる時すげぇ声で喘ぐよな」


 そう言った三井さんの顔を俺は二度見した。童貞だと思ってたのに。裏切られた。

「んだよ。そんなノロケ聞きたかないっスよ……」
「は?ノロケてねぇよなんも。AVの話だ」

 ですよねー!この人彼女もいないのに童貞捨ててるわきゃねーもん!良かったーと胸を撫で下ろす俺は勿論童貞だ。

「俺あんまAV見ないんスよね。なんか男優が邪魔で集中できないってゆーか」
「じゃあ何で抜くんだよお前」
「えー、言わせんなよ……そんな」

 彩ちゃん……。赤らんだであろう俺を白い目で見てくる三井サンに苛っとくる。

「女ってよ、あんなアンアン喘いでるけど実際どんだけ気持ち良いんだろーな……」
「ああ何かで聞いたことあるけど、男の何倍もの感度あるらしいっスよ」
「何倍もか……」


 三井サンも俺もそうゆうことには興味のあるお年頃。妄想が始まるとお互いに黙りこくって好き勝手な映像を膨らませて盛り上がっている。顔を見合わせたらどっちも間抜け面で。

「なぁリョー子」
「なぁに寿」

 三井サンがきりりと男前な顔を作って俺の腰を抱くと、俺もそれに合わせてピトッと胸に寄り添った。

「エッチなことしよーぜ」
「んもう。寿ったらドスケベ変態の糞野郎なんだからぁん」
「リョー子……」
「寿……」

 三井サンが俺を教壇の上に押し倒して覆い被さってきたから本格的に始まってしまった戯れ事。アホな事ばっかしてんなーと思う。けど自分が女の子の立場なら、きっとこんな時にドキドキしてこう動くんだろうとか、無駄な想像力を働かせて。

「こんな感じなんだろーな。女とヤる時って。シュミレーションしとかねーといざって時に……」
「俺で練習すんなよ……。ちょっと興奮するけど」
「すんのかよ」

 三井サンが俺の脚を広げる。M字のインリンスタイルにさせられる俺。女と違ってそんなに股関節が柔らかい訳じゃないから、この体勢って結構辛いんだなってことを知る。

「入れるぞ、リョー子」
「……うん。キて」


 この格好で野郎同士で見つめ合う異様な空間を誰かが見たら俺達はきっと立派なホモカップルに認定されるだろう。そんな危惧もあるけど実際はただのバカやってる奴等で済まされるのは分かっているから問題はない。女の子はきっと知らないだろうけど、男同士でセックスの真似事をするのは珍しい事じゃなかったりするから。


「ア〜ン。感じちゃうー」
「すっげぇ棒読みだなリョー子」

 何だかんだでノッてきて、俺の方も三井サンの腰に腕を回してみたりなんかして……。女役をしているからか、三井サンに見られていると不覚にもドキドキしたりなんかして。三井サンは三井サンで楽しいらしく、腰まで振りだす始末。それがまた本格的な動きになってくるもんだから、擦れる互いのアソコとアソコが気持ち良くって止めるに止められない……。最悪だ俺。この人もっと最悪だけどな。

「三井サン、勃ってない?当たってんのが段々硬くなってきてんスけど」
「や、なんか気持ちい……」
「俺犯されてる気分」
「お前のも勃ってるだろが」
「ほんとだ……死にてぇ」

 ほんと死にてぇ。野郎同士で擦り合って果てるなんてのは絶対に御免蒙る。

「女だとしょんべんの出る穴とケツの穴の間にある穴に入れるだろ?男だとどうなの?」
「何が?」
「男同士でヤるってなるとどーすんだろって……」
「ケツの穴でしょ……」
「まじか」
「他に入れられる穴があります?」
「痛そうだなおい……」


 三井サンは急に我に返ったらしく、いそいそと俺の上から退いていった。俺も身体を起こして、息子のポジショニングを整える。半勃ち状態は気分的に嫌だ。

「なんの話なんスかこれ……。アホなことやってないでさっさと帰りましょうよ」
「……だな。その前にちょっとトイレ行ってくるわ」






 いや俺も行くけどね……。


End.


二人とも早く彼女作らないと新境地開いちゃうぞという話(笑)下品ですみませんorz


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