三井編
夏と言えば肝試し!!ということで、以前から皆で計画していた肝試しを、今日決行することになりました!!
すっごい楽しみな反面…正直怖いです…。
夜中の2時に学校の校門前集合だったのですが、女の子が夜更けに外を出歩くのはデンジャラス極まりないということで、男性陣がそれぞれ家まで迎えに来てくれるということになりました。
【―肝試し―三井編】
夏と言えば…って、なんで皆揃いも揃って考えることが同じなんだろう。
もっと他になかったんだろうか…。
例えばさ、公園かどこかで花火をしたりだとか。あるでしょう…風流な遊びが。
先輩と線香花火なんか…素敵だな。
もういっそのこと2人きりで線香花火に変更したい。
私は三井先輩の浴衣姿を目に浮かべながら、ゴロンとベッドに仰向けになった。
付き合い始めたのがつい最近で、未だに私は“先輩”と呼んでいる。この呼び方から進展する気配は今のところ……ない。
ほんとうは、ミッちゃんとか…ひ、寿とかって…呼びたいんだけれど………。
先輩と顔を合わせる度に、声がうわずったり今でもまともに顔すら見られない私には、遠い遠い道のりだった。
本当によく告白できたなと思う。
勢いで言ってしまった告白に、あっさりとOKしてくれたのは先輩なんだけど
本当に私で良かったのだろうか…。
熱を帯びた額に、手をかざして携帯画面をスクロールさせる。
なんで肝試しなんだろ…。肝なんか試されてもなぁ…。
色気もなにもない。
実際、先輩とデートらしいことをするのは今日が初めてなんだから、やっぱりそれなりに……
でも三井先輩と一緒にいられることは、素直に嬉しい。
複雑な心境…
私の手元は、さっきからソワソワと落ち着かず、何度も同じ画面をスクロールさせては戻したりを繰り返していた。
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From 三井先輩
件 Re:
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着いたら電話する。
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何の飾り気もなくて、要件だけを述べたその文章は、なんとも先輩らしい。
この文章だけで、これほど舞い上がってしまう自分は本当に恥ずかしいけど……これも惚れた方の弱みなのかも知れない。
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