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私が一階へ降りると、もうご飯を食べ終えてくつろぐお兄ちゃんがいた。


「おう。早く食えよ。」

「うん」

私はお兄ちゃんの向かいに腰をかけて、食事に手をつける。
…お兄ちゃんが私の食べる様子をじっと見てる。なんか変なの。

「なに?」

ニンジンを口に運ぶのを止めてチラッと見る。

「もっといっぱい食わなきゃデッカくなれねぇぞ?」


「なりたくないもん」

どーせペチャパイでまな板なのを言いたいんでしょっ。

「お前なんでチビなんだろな?お前以外みんなデカいのに。」

あ…背のことか。
私はさぁ知らないと言って、食べ続ける。ああ…また私のキライなピーマン…。
「はぁ…」

苦い顔をして緑の小憎たらしいのを箸でつつく。

「食ってやろうか。」

お兄ちゃんがニカッと笑って私の顔を覗き込む。差し歯が光ってるわ。

「うん…」

「おし。」

お兄ちゃんは私が避けたピーマンの寄せ集めを一気に口へ流し込む。
食べ終えたら私のお皿と自分のを重ねてキッチンへ。私は席を立って学生カバンを手にする。

「いくか。」


お兄ちゃんのあとについて歩くと身長の差を実感する。やっぱり大きいなぁ…。
玄関にはキッチリ二足ならべられた私の靴と、無造作に脱ぎ捨てられたこれまた大きな靴。
だいぶ汚れが目立つ。練習大変なんだろうな、とか思いながら、靴をはいて先に外にでる。


「お兄ちゃん」

「ん?」

しゃがんで靴ひもを結ぶお兄ちゃんが私を見上げる。

「寝ぐせついてるよ?」

上から見下ろすと髪がツンツンにあっちこっちへ立ってる。そのカッコがおかしくて。

「ああいいわ…。」


「ダメだよ。色男が台無しだよ?私が直したげる」

「…おう」


自分でクシャクシャと髪を雑に撫でるお兄ちゃんの髪を、私が丁寧に指ですいてあげる。

「できたっ」

私はニッコリしてお兄ちゃんはまたその髪を上から撫でた。


こんなのは普通にどこの家庭にもある光景なんだけど
そんな当たり前の生活が私にはうれしい。





END.


早くも兄妹ネタやってしまいました(笑)
いっかいこうゆうの書いてみたかった。ミッチーみたいなタイプを兄貴に持つ妹の心境ってどんなんだろう…?って考えたらこんな感じになってしまいました;;

また出直してきます(´・ω・`;)



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