[2]
私が一階へ降りると、もうご飯を食べ終えてくつろぐお兄ちゃんがいた。
「おう。早く食えよ。」
「うん」
私はお兄ちゃんの向かいに腰をかけて、食事に手をつける。
…お兄ちゃんが私の食べる様子をじっと見てる。なんか変なの。
「なに?」
ニンジンを口に運ぶのを止めてチラッと見る。
「もっといっぱい食わなきゃデッカくなれねぇぞ?」
「なりたくないもん」
どーせペチャパイでまな板なのを言いたいんでしょっ。
「お前なんでチビなんだろな?お前以外みんなデカいのに。」
あ…背のことか。
私はさぁ知らないと言って、食べ続ける。ああ…また私のキライなピーマン…。
「はぁ…」
苦い顔をして緑の小憎たらしいのを箸でつつく。
「食ってやろうか。」
お兄ちゃんがニカッと笑って私の顔を覗き込む。差し歯が光ってるわ。
「うん…」
「おし。」
お兄ちゃんは私が避けたピーマンの寄せ集めを一気に口へ流し込む。
食べ終えたら私のお皿と自分のを重ねてキッチンへ。私は席を立って学生カバンを手にする。
「いくか。」
お兄ちゃんのあとについて歩くと身長の差を実感する。やっぱり大きいなぁ…。
玄関にはキッチリ二足ならべられた私の靴と、無造作に脱ぎ捨てられたこれまた大きな靴。
だいぶ汚れが目立つ。練習大変なんだろうな、とか思いながら、靴をはいて先に外にでる。
「お兄ちゃん」
「ん?」
しゃがんで靴ひもを結ぶお兄ちゃんが私を見上げる。
「寝ぐせついてるよ?」
上から見下ろすと髪がツンツンにあっちこっちへ立ってる。そのカッコがおかしくて。
「ああいいわ…。」
「ダメだよ。色男が台無しだよ?私が直したげる」
「…おう」
自分でクシャクシャと髪を雑に撫でるお兄ちゃんの髪を、私が丁寧に指ですいてあげる。
「できたっ」
私はニッコリしてお兄ちゃんはまたその髪を上から撫でた。
こんなのは普通にどこの家庭にもある光景なんだけど
そんな当たり前の生活が私にはうれしい。
END.
早くも兄妹ネタやってしまいました(笑)
いっかいこうゆうの書いてみたかった。ミッチーみたいなタイプを兄貴に持つ妹の心境ってどんなんだろう…?って考えたらこんな感じになってしまいました;;
また出直してきます(´・ω・`;)
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