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キーンコーン
カーンコーン



今日の授業を終わらせるチャイムが鳴り響く。


「夏樹!
もうそろそろアノ子来る頃じゃない?」


ニヤニヤと嬉しそうな顔で私を覗き込む彼女は友達のゆかり。


「なにニヤニヤしてんのよ〜」


「だってアノ子可愛いじゃん。なんか子犬みたいで♪」



子犬ねぇ……まぁ確かに可愛い年下の彼氏なんだけどね。



私もつられて顔が緩む。



「夏樹ちゃん!」

「あ、来た」


噂をすれば何とかってやつ。


勢いよく開かれた扉の方を見ると息を切らしたリョータが眩しい笑顔で待っていた。


「ここ3年の教室なんだけどぉ?」

ゆかりが悪戯な笑みでリョータに詰め寄る。



「ゆかりさんチワッス。だって今日夏樹ちゃんとデートの約束してんだもん…きちゃった」

これじゃまるで本当に尻尾を振る犬みたい。


「ちょ、リョータ!恥ずかしいから迎えに来なくていいっつってんじゃん!」



私の頬はほんのりと染まる。


「いいじゃんいいじゃん♪ほら夏樹。行ってらっしゃーい♪」


私はゆかりにサッサと教室から出されてしまった。


振り返ればニンマリ笑って手をふるゆかりの姿。



「じゃ、行こっか♪」


も〜…その笑顔は反則だってば…
結局私はリョータのこんな風に素直なところが好きだったりする。




今日のデートは私が決める日。


こないだはリョータが観たがってた映画を観に行ったから。


「で、今日はどうすんの?」


そう言ってリョータがさり気なく私の手を握ってくる。



私もリョータの指に絡ませて手を繋ぐ。

これがいつもの私たち。



「んとね〜今日はちょっと買い物に付き合ってもらおうかな」




「何買うの?」



「な〜いしょっ」


私はもったいぶってニッコリして見せる。




私たちは学生服のまま、賑やかな若者の集う街へと繰り出した。


私の隣にはリョータ。
この感覚が最近では当たり前のようになっている。


リョータと一緒じゃない日のほうが珍しいくらいじゃないかな…

いっつもリョータが私に会いに来てくれるから、私がリョータを探すことなんて滅多にないんだよね。


私、ちゃんと愛されてるよね。



チラッと隣を見る。



隣で見るリョータの顔がすき。



黙ってればクールで男前なのに…



「ん?なに夏樹ちゃん。さっきから俺の顔ばっか見て。……カッコよすぎて惚れ直した?」


「バカ」



これだもん。


でも本当にカッコいいんだから言い返せない。






「あ、ここだよココ♪」


私たちは目的の店へとやって来た。


そこは可愛らしいランジェリーのお店。


ピンクのランプに真っ白のフリルが飾られている。店内には若い女性が、所狭しと並べられたランジェリーを楽しそうに品定めしている。


「ちょ、ここって…」


「新しい下着買いたいんだよね。だからリョータに選んでもらおうと思って♪」


「ええ?!」


思った通りの反応が返ってきて私は上機嫌になる。

下着を見たかったのもあるけど、わざわざリョータを連れてきたのは、彼のこんな反応を楽しむためでもあるから。



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あきゅろす。
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