[携帯モード] [URL送信]
[6]



─PM 12:28─


現在みっちゃんの部屋のベッドの中で彼から離れない私。

みっちゃんも一緒に足だけ布団のなかに突っ込んでビールを飲んでいる。




ああもうすっかり夜も更けた。
12時過ぎ、か…。


いつものこの時間は勿論お互いに各々の家で就寝中かまったりして過ごしてる時間。


今日は特別な日だ。
私が寝そべる隣には、みっちゃんが居る。
みっちゃんは上体は起こして足だけを布団に潜らせ、私の足とくっつけている。

私は…みっちゃんのおなか辺りに頭を寄せて肩まで布団を被った格好で寝ている。

つまり上から見下ろされてるわけです。

見上げてみたら、喉仏が上下したのが分かった。

「ビール美味しい?私ビールだけは飲めない…」


「ガキ」


ニヤッて嫌みな笑顔が…
あ、そうだ。さっきの特大ポッキー食べよう。太るから一本だけ!!


私は思いついたら即行動なので、床に無造作に転がるコンビニ袋へと手を伸ばした。


「ん〜…」


あったっ


特大ポッキー。

ペリッと封を開けて一本取り出すと、端からポリポリと食べ始めた。


「ねぇ」

みっちゃんのパジャマをクイッと引いて呼ぶ。

「あ?」


飲み干したグラスをサイドテーブルへ置いて声だけを向ける彼。


「みっちゃんこっちから食べて?」


くわえたポッキーを、んって彼の口元へ差し出して見せた。
これはよく王様ゲームやら合コンイベント等で男女がやるアレである。

端と端をお互いが食べていき、やがては唇と唇が触れるという…仕組みだ。


「…こうか?」


あれ。やってくれるんだ。酔ってますか?

私は気を良くして少しづつ食べていく。
みっちゃんも私につられ、食べていく。


「ポリポリ」


「ポリポリ」



あ…みっちゃんと目が…
や、なんか異様に照れるかも…
そんなトロンとした目つきはやめてよっ

やっぱ酔ってんね。




…ちゅ



唇が触れた。


なんかイイ感じ…。
このまま任せようかな。

私は口のなかで溶けた甘いチョコを飲み込んだ。みっちゃんがどんな顔してるか気になって、少しのぞき見る…


わわっみっちゃんも目開けてたの?!
バッチリ超至近距離で目と目が合った。

「……ん」


次の展開を期待してたら…そっと唇が離れた。ついでに視線までそらされてしまいました。


…もう。


「…みっちゃん、私のことキライ?」


ああ。ついに言ってしまった。だってあんまりにも逃げるから…気持ちを疑いたくもなるってもんでしょ?


「ばっ…キライなわけねぇだろ!!」


「じゃ、なんで逃げるの?ちゃんと目見てスキって言って。」


「〜…」


みるみるうちに赤くなってくみっちゃん。そんなことには構いもせず詰め寄る私。

そしたらちゃんと座り直して少し戸惑ったあと、真っ直ぐ私の目を見つめてくる。

「好きだ…って」


長い間見つめ合った。
そしてみっちゃんから改めてキスされて、今度は舌を絡め合った。

みっちゃんがここまでしてくれれば上出来かも…。

彼が、こうゆうのにすんなり入れない性格なのを分かっててイジメる私はちょっとサドっ気あるのかも知れません。


みっちゃんはキスが下手…
緊張が唇から伝わってくるんだもん…。こっちまで緊張しちゃう。

それでもみっちゃんからちゃんとキスしてくれたことに気分を良くした私は、スススと布団なかに頭らへんまで潜って、目の前にある胸に顔を寄せて目を閉じた。


これで十分。
みっちゃんと一緒に眠れるだけで幸せだ。



[前へ*][次へ#]

6/9ページ


あきゅろす。
無料HPエムペ!