[3]
甘いコーンが口んなかに広がって、胸のあたりが熱っぽくなった。心も体もホッコリする。
みっちゃんは全部飲み干す私の様子をジッと見てるけど…
何考えてんのかな…
この人いつまで経っても鈍感だから
私のこんな歯がゆい気持ちなんか分かってないだろうな…。
私があんまり見つめるもんだから
ん?って顔で彼も見てくる。
やっぱ分かってなさそう…。
「俺、風呂入ってこよっかな。もー8時回ってっし」
壁にかけられた時計を見上げて言った。
お風呂行っちゃうんだ…また私を残して…
「やだ。私も一緒に入る…」
「は…?バカ言ってんじゃねぇよ…」
これにはみっちゃんも少々困ったように眉をひそめた。
「だって…さっきもずっと1人で待ってたのに…またどっか行っちゃうんでしょ?」
熱のせいかな…今日はなんか……
ホント離れたくない。
気弱になってるかも…。
もっと甘えてたいよ…
「どっかって…風呂行くだけじゃねぇか…
まさか本気で一緒に入る気じゃねぇだろ?」
みっちゃんが私から離れようとして慌てて私はみっちゃんの服を引っ張った。
みっちゃんの服がピンと張る。
「じゃあ付いてくだけ!それならいいっしょ?」
みっちゃんが頭をガシガシ掻いた。これは困った時にやる癖。でもそんなに戸惑うこと?私ら付き合ってもう1年たつんだよ?!
お風呂ぐらい一緒に入ろうよ…
あ。でも相手がみっちゃんだから無理なのか…
恥ずかしいから嫌なのかな?
「お前ガキじゃあるまいし…」
「恥ずかしいんだ?」
そう言われるとみっちゃんはムキになる。
「べっつに??!!」
「じゃあいいじゃんか」
根負けしたみたいだね三井寿。にやり。
「勝手にしろ」
「うん」
ニッて笑ってから起きあがると口を横一文字に噤んでしかめっ面の彼が私を見てる。
口では勝てないもんね?みっちゃん(にっこり)
私は勝ち誇った笑みで彼の腕をとった。
「ね。早く入っちゃお」
「…………」
私たちは部屋を後にしてバスルームへ仲良く?向かった。
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