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─PM 7:23─
肌寒くなってからか、最近の私は体がやけにだるい…。よくせき込んじゃうし…やっぱり風邪ひいたかも知れない。
「うう…まじ寒い…」
私は今待ちぼうけをくらってる。
お相手は……年上の俺様男こと三井寿サマ。
あ、一応…ってのもおかしいけど私の彼氏さんです…ハイ。
彼が2年で私が1年の時に付き合ってもう1年経つんだけど…
これがまた超の付く時間にルーズな方でしてね…ふふ。
1年経った今も全く変わっとらん。
ありゃ絶対、自分を中心に世界が回ってると思ってるわ。
私の堪忍袋の緒もそろそろ切れそうです。
「ったく女をどんだけ待たせるつもり…?しかも外で!」
私は日も落ちて暗くなった寒空の下で彼を待った。
今日はこれから彼の家でお泊まりなんだ。
もちろん彼の家族は留守。だから泊まることになったんだけどね。…自分の親にも色々理由付けるの面倒なんだなコレが…。
で、夜に飲む晩酌のつまみを買ってくると言って出て行った彼を健気に待っていたんだけど……
あれから1時間たっても帰って来ない。
あんまり遅いから途中まで迎えに来ちゃったし…。
彼がたどるルートはだいたい知っている。
どこのコンビニに寄ってるのかも。
どうせまたエッチィ雑誌を立ち読みしてるに違いない…。
「あっ、いたいた」
暗がりのなかで、煌々と灯る電灯に照らされた彼の姿が見えた。
片手には膨らんだコンビニの袋を携えて、こっちに向かって歩いている。
「みっちゃん!!」
「…優子?」
「みっちゃん遅い!!!」
「待ってろっつったのに……つーか!デケー声でその呼び方やめろって…っ」
「だから1時間も待ったんじゃん?何してたらそんな遅くなれるの?」
「悪い悪い…途中で堀田たちに捕まっちまってな。」
膨れっ面の私に苦笑する。
「そうだったんだ…にしても遅いよ…寂しかった」
私は正面から抱きついて、ぎゅっと彼の人差し指を握った。
「ごめんって。優子の好きそーなモン買ってきてやったから」
ニッと笑ってコンビニ袋を軽く上げて見せる。
「え、なに?」
彼からコンビニ袋を奪ってガザゴソと中身をチェック。
「あ、特大ポッキー!」
「好きっぽいし、そんなん」
またまたニッって笑った……なんか、すごい今の顔嬉しかった。
みっちゃんの笑った顔、だいすきなんだ…
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