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季節が一つ終わろうとしてる。
その瞬間をまさかこんなところで1人寂しく迎えることになるなんて…






─千羽鶴─





この小さな窓から新しい風が運ばれてきて、私の鼻先を掠めていく。


最近少し肌寒い。

病室の窓から差し込む夕日に目を細めて、シーツを引っ張ってかぶる。

私は夏の終わりに、学校の階段から足を踏み外して骨折した。運良く通りかかった流川が素早い措置をとってくれて病院に運ばれたんだけど……医者から言い放たれた言葉は「全治4ヶ月」。


その日のうちに入院する羽目になってしまった。
できることなら悪夢であって欲しいと思ったけど、これが現実で。

だって4ヶ月も湘北のバスケ部を見れないなんて、私には耐え難かった。テストのこととか友達とか授業とか、心配なことは沢山あるけど…

それよりも何よりも流川と話せなくなることの方が辛かった…。



涙で濡れたシーツが、また濃いシミをつくる。入院して3ヶ月…足もだいぶ良くなって、杖があれば自分で歩けるまでに回復した。けどほんとにあと1ヶ月弱で退院できるんだろうか。


無機質な壁とシーツの白と、秋色に染まった病室が私を一層不安にさせた。


早く流川に会いたい……。



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あきゅろす。
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