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男に生まれてくりゃ良かった。
私、性別間違えて生まれちゃったんだよな、きっと。

女々しいのは大嫌い。
バカみたいに連るんじゃってさ。
あんたらは一人でトイレも行けないわけ?
ほんと馬鹿馬鹿し。


つまんない。この学校の何もかも。


「あれ、お前つぎ体育じゃなかったっけ?」
「洋平……」


このリーゼントは私のこの学校で出来た唯一の友達。けど私らの間柄はコレッて枠組みは何もない。“知り合い”じゃあまりに素っ気ないし、面倒だから友達ってことにしてる。洋平も私もサボる時は屋上。これが私らの接点なだけ。


「体育とかダルすぎ。パスパス」
「ってお前いつもサボりじゃん」
「そーゆうアンタは何ー?屋上で煙草なんか吸っちゃってさー」
「俺はいいんだよ。落ちこぼれだから」
「あそ…」


そうやって洋平は笑うけど、洋平は落ちこぼれなんかじゃない。筋の通った人間だと、私は理解してる。短い付き合いだけどさ……分かる人には分かると思うよ…見てたら分かる。洋平は腐った人間じゃないってこと。

群れてなきゃ生きられないアイツラなんかよりよっぽど出来た人間だと思うよ。


「実は生理?」
「アホ。違うってば。面倒なだけ」
「なんだよまだ嫌がらせ続いてんの?」


そして恐ろしく鋭い……。その通りなんだけど…だるいよね、友達関係なんてさ。見せかけの友情に裏切りの連鎖。だるい。ほんと。


「お前もっと愛想良くしてりゃ友達なんかすぐ出来んのにさ」
「は?やだよ。そーゆうの嫌い」
「はは。そゆとこ好きだけどね、俺は」


何が…。洋平だって頭良いのにさ、真面目に授業受けてたら絶対優等生になれると思うのに。
そーゆう素質あると思うのに。
なんで不良になっちゃったのかね。私だって疑問だよ。



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