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「はーいちょっとそこ通してねー」


塞がれてちゃ通れないのよ。ったくもう。こんな風に見物客が多くなったのも湘北バスケ部に新しいメンバーが増えたからであって、以前は体育館なんて閑散としたものだった。


あの頃は寂しいぐらいの体育館だったのにね。今じゃ女の子たちのギャラリーに黄色い歓声付き。


「木暮ー!!」


練習のキリを見計らって声をかけた。まぁ良かったじゃない?これで夢にまで見た全国大会、目指せるじゃん。


「水無瀬」
「相変わらずすごいね。ギャラリーが賑わってて」
「ああ。けど赤木は怒ってたよ。気が散るって」
「そりゃね」


木暮は眼鏡を外してしたたる汗をユニフォームで拭った。


「赤木君もキャーキャー言われたら考え変わるかも知んないね」
「どーだろ」
「木暮もキャーキャー言われたい?」
「何だよそれは」
「私、キャーキャー言ってあげてもいいよ」
「何言ってんだよ。…そんなことよりそれ、」

木暮は照れるとすぐ話反らすね。今の表情は嬉しかったのかな。



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あきゅろす。
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