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 小さい頃は背も低く、泣き虫だった俺。

 家庭内も円満とはいかず、両親は不仲で、ある日親父が蒸発した。俺には歳の離れた姉が一人いたが、姉も高校へと進学し、多感な思春期を迎えることになってそれと同時に母親と姉の間にも少しずつ溝が深まり、喧嘩が絶えなくなった。


 俺は孤独な少年時代を過ごした。テストで良い点をとったとしても、跳び箱を飛べるようになっても、母親は仕事で忙しく、それを報告することすら出来なかった。

 仕事から帰宅した母さんの表情は、いつもひどく疲れていて、暗く辛そうだったから尚のこと。


 家庭の事情を知っていた俺は、次第に自分の気持ちや目に見える感情を内に押し込めるようになった。そうすれば母親の負担が減るんだと信じて。


 俺は表向きでは、手のかからない無口な青年へと成長していった。



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あきゅろす。
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