▼流川side
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やっぱり...考え直せばよかった。
こんな仕事、嫌だ。
でも、途中で投げ出すのはもっと嫌だ。
どんなことでも。
与えられたことを淡々とやっていくだけなんて
かったるくてつまらなくても
今やるべきことがこれなら、やるしかねえ。
俺は、心を無にした。
あの女店員...夏樹...を、見る。
俺に気づいて、向こうも俺のことを半笑いで見てくる。
すぐに目を反らした。
「どした?」
「なんでもねえデス」
...。
これ、どこの棚...
ねえだろ。どこだよ。
こんなもの、ずっと見てたくない。
俺は、自分の体がどんどん硬直していくのが分かった。
心を無に、できなくて。苛立ちが募っていく。
こんな誰にでもできるような簡単なことで、焦るなんて。
焦る...焦ってなんかねえ。
俺はもう一度夏樹を見た。
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