終わりは新たな始まり
・Love understands Love・
日付も変わった頃。
パーティーの主役とも言えるスコールレオンハートは一足早く会場を後にして、酔い醒ましの為にSEED寮へと戻って行った。
パーティーとは、最後にして最大の敵アルティミシアを倒したSEED達の栄誉を称える為に催されたものである。そして夜もふけた今じゃ、それも流石に御開きの時間だろう。
しかしホールでは未だに酔いの回ったSEED達がこの夜を惜しむようにして騒いでいる。ここにいる誰もが心の底から勝利を喜んでいた。あの堅実なスコールでさえも周りの空気にほだされてか、普段飲まない酒を煽っていたほどだ。
それにしても……
(…流石に飲みすぎたな)
スコールは部屋の窓を開け放ち、抜け切らないアルコールで淀んだ空気を新鮮な空気と入れ換えながら思う。疲れきった体にアルコールが加わってふらふらだ。今さらながら後悔していた。
窓辺にいると、バラムから運ばれてくる海の香りと冷たい風が火照った肌に心地好くあたる。疲れた体も少しは癒えていく気がした。
さっきまでの喧騒が嘘のように静まり返っている。そして今、目を閉じて思うことは彼女のこと。先程から何度も同じシーンによって繰り返し脳裏に甦る。酔っている今じゃ、鮮明には思い返せないけれど。
唇に今もその感触が残されているのは確かだった。
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