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合格したらしい


「なんでスコールが謝るの?」
「俺が何かしたんだろ?それで怒ってたんじゃないのか?」

 リノアは小首を傾げたが、やがて吹き出した。笑っている。スコールは驚いたが、勿論笑い事ではない。

(確かにスコールのせいではあるけど……)

「ごめんっ笑って。スコールに怒ってた訳じゃないんだ。それに怒ってないよ」
「じゃあなんで目を反らしたんだ?」

 スコールの表情を伺えば段々と苛立ってきているのが分かる。それもそうだろう。真剣に自分を悩ませておいた上に笑われたのだから。

「それは……私にもよく分かんないんだけど……」

(なんなんだ一体。何が言いたい?何を隠してるんだ)

 スコールは流石に焦れったくなり、ベッドから立ち上がるとリノアの方へと歩み寄った。

「結局なんなんだ?何が原因なんだよ」
「……じゃあ言うけど!」

 詰め寄るスコールに身動ぎもせず、むしろリノアも前へと進む。お互いが触れ合える距離になってからスコールの顔を両手で挟むようにすると、そのままムゥと押さえて言った。


「この顔が原因かな」

 整った顔をムゥと挟まれて、スコールの顔は、面白いほどにポカンとしている。

 スコールの呆気に取られた表情が怖い顔で睨みを効かせると、何かを言われる前にリノアが口を開いた。


「もし私じゃない誰かに好きだって言われたら、スコールどうする?」
「何の話だよ……」
「いいから答えて!ここが一番重要なところなの」


(俺に黙秘権はないのか……?)

「好きな女がいると言う」
「じゃあ付き合ってって言われたら!?」

 気迫たっぷりに詰め寄るリノアが怖い上に、更に強く押される頬が痛い。

「……つ、付き合ってる女がいるから無理だと断る……っていい加減離せ!」


「じゃあ最後に。その女って、誰?」
「リノアに決まってるだろ……?(他に誰がいるんだよ)」


 やっと納得いく言葉に辿り着いたのか、リノアは満面の笑みを浮かべて「合格〜!!」と両手を掲げた。

 ようやく解放されたスコールは心なしかやつれて見えた。



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