ゼル登場
・Is the bad on me ?・
バラムガーデンの昼下がり。
どこか険悪なムードの漂う傾向にあるリノアとシエンナの間を取り持つ為に、セルフィは皆で食事を一緒にしようと提案した。そして他の仲間たちも呼んで、親睦を深めるというのも目的に含まれている。こういった時に誰より張り切るのが彼女、セルフィだ。
「じゃあ私みんな呼んでくるねぇ♪」
と二人にひらひらと手を振ると出口へ向かって歩き出す。そんな風に淡々と事を進める彼女をリノアは慌てて追いかける。
「わ、私も一緒に行く！！」
二人きりになる状態に耐えられそうになかった。シエンナはそんな話には興味なしといった風で、フイとそっぽを向くと適当な席に腰掛ける。
「いいよ。私一人でのんびりしてたいから。ここにいる。二人で行ってきなよ」
「え〜？でも、すぐ呼んで来るよ？」
セルフィはこういった女同士の微妙な関係性には疎く、どこか抜けているらしい。リノアが先の言葉を探してしどろもどろしていると、タイミングが良いのか悪いのか。
もう一人の騒々しいお気楽キャラが物凄い勢いで駆けてきた。学食で常にパンを求めて駆けて来るが、いつも一足遅い残念な彼。ゼルだ。
「おばちゃ〜ん!!パンある!?」
「残念だね。もう品切れだよ。アンタいつもいつも可哀想にねぇ……相当運がないのかねぇ……」
ゼルはがくりとうなだれた。
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