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転校生


 まず学園長室の扉を開けたところで一人の女子に視線がいった。

 明らかにバラムガーデンの制服とは違っていたからだ。淡いグレーの服装。本当に転校したてなのだろう。スコールは転校生と思われるその人物にゆっくりと近づいていった。

「スコール君、話は聞いているかな?」
「はい」
「彼女が新しく転入することになったシエンナ・ミスト君だ」

 シド学園長の紹介を受けると、シエンナと呼ばれた女子生徒がスコールに手を差し出した。

「シエンナです。宜しくお願いします」
「スコール・レオンハートだ。こちらこそ、宜しく」

 スコールもその手を握り返して会釈する。リノアはそんな二人の様子をスコールの傍らでジッと見つめていた。

 その後、学園長とスコール達を含めた四人は長々と話をしていた。最後のミッションが成功した事への賛辞から始まり、今後のSEEDの活動基盤など。難しい話だ。リノアにとってはそんな話は問題ではない。問題なのは“シエンナ”という人物が一体どんな人物なのかということだった。



「ところでスコール君。君に少し話がある。悪いが君はここに残ってくれ」
「……分かりました」

 正直に言えばさっさと自室に帰ってリノアとゆっくり過ごしたいところだったが、学園長のお呼びとあれば断るわけにもいかない。

 スコールは一度リノアの方を見てから「あとで会いに行く」と言付けた。

 これに過剰な反応を見せたのはシエンナだ。二人を交互に見て、鋭い視線を送っている。無論これに気付いているのはリノアとセルフィのみだったが……。

 リノアは無意識からなる対抗心なのか、少しばかり張った声で、「スコールの部屋で待ってるね」と応えてから学園長室を後にした。




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あきゅろす。
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