波乱の予感
セルフィの母校でもあるトラビアガーデンから転校してきたその女子生徒は、バラムガーデンの特殊傭兵部隊であるSEEDの数々の功績を知って自らSEED志願をしてやって来たようだ。
早い話が、スコール達とは将来同じ任務を受け持つことになる予定の“仲間”ということになる。
そういった重要な話なら、とスコールの表情が変わった。
その様子に気付いたリノアは、一人だけ取り残された気持ちになりシュンとなる。SEEDに護られている身分の自分には口出しの出来ない話だ。けれど恋人がSEEDのトップである以上は、関わらざるを得ない人物になるだろう。そうなると気になる事は一つだけだった。
「女の子……?」
「そうだよ♪」
嫌な胸騒ぎがして、リノアはスコールの方を見る。その視線に気付いているのかいないのか、スコールは表情一つ変えない。
「ともかく学園長室に行けばいいんだな?」
「そうだよん。なんか班長には他にも話があるみたいだよ」
「………」
スコールとセルフィが話をする側でリノアは一人考え込んでいた。
「私も行っていいかな?」
「ああ。別に構わないだろ」
「そうだね〜せっかくだから挨拶しとくのもいいかもね!」
「じゃあ行くぞ」とスコールは歩きだす。セルフィはリノアの方に近づいて小声で耳打ちした。
「ちょっと手の早い子だから班長に迷惑掛けちゃうかもだけど……私の後輩だから多目に見てあげて欲しいんだ」
(手が……早い……?)
リノアの表情に不安の色が浮かぶ。セルフィは両手を合わせて眉をへの字にして向き直ると、スコールの後に続いた。セルフィの言葉に益々不安を掻き立てられた。
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