そばに、いる
「スコールねごと言ってたよ?」
その一言にスコールは背筋がサァっと冷たくなるのを感じた。
「何か……変なこと言ってなかったか?」
スコールの問いに対して、リノアははぐらかすような素振りを見せては悪戯に微笑む。
「リノアが好きだ!愛してる〜!って言ってたよん」
「…………(嘘だな)」
嘘だろうとは思ったが、リノアが余りにも嬉しそうに笑うもんだから、不安になって彼女の目を見つめ返した。まさか、という意味合いを込めて。まさか夢の中で愛の告白をしたと言うのかと。
「あとねぇ、」
スコールの反応を楽しんでいるリノアの口を、すかさずスコールの手が塞ぐ。
「もういい分かった……それ以上言わなくていい」
リノアはスコールの手を掴むと、「ウソウソ」と言ってその手を優しく握った。
「ほんとはね、行かないでって言われたの。どこにも行かないでくれって」
「……どっちにしろ最悪だ」
「どうして?それがスコールの思ってたことなんでしょ?」
「分からない……」
「私は、どこにも行かないよ」
ずっとスコールの側にいる。だからあんな悲しそうな顔しないで……。そう言ったリノアの方が今にも泣きだしそうな顔をしている。
「側にいたいのは私の方なの」
そう小さく呟いて、気付けばリノアの方がスコールの胸を借りていた。
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