新たな二人の関係
「リノアっ
頼むから離れてくれ……」
「む?ほんとに離れてもいいのっかな?今からセルフィかキスティスの部屋に移ったって構わないけど……」
スコールは眉を寄せて暫く黙ってからボソリと「それは嫌だ」と言った。途端にリノアは悪戯な笑顔になる。スコールはそれを見て、眉間のしわを深くした。
頑なに心を閉ざしてきたスコールも、彼女のひた向きで素直な言動には流石に心を開かざるを得ないようだ。彼女がひっついたまま微笑みかければ、スコールも観念したように大人しくリノアの腰に腕を回した。
思えば初対面のあの日も、ちょうど今のように彼女のペースで事が運んでいたように思う。スコールは少し悔しくなる。男としては、やはり……悔しい。
「ねぇスコール、私たち良いパートナーになれそうね」
「そうなのか?」
「そうなの!」
むくれるリノアを分かった分かったとなだめてから、横になる。
「明日から少しお休みだね」
「ああ……依頼がくるまではな」
「じゃあ明日は二人でまったり過ごそうね、スコール」
「ああ」
すぐ隣で話すリノアの声も、次第に小さくなっていって。二人は目を閉じると、窓辺から聴こえる潮騒に誘われるようにして夢のなかへと落ちていった───
[prologue]……END.
to be continued...
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