多忙な指揮官さま
「スコール、これ、今日までに提出して欲しいの。急ぎだけどよろしくね。」
キスティスが去る。
PCの前に座り既に作業中の彼のデスクには、山済みの資料が。
そこへさらに積まれる。また仕事が増えた。
資料に間違いがあれば修正し、添削し、これらを全てPCに打ち込んでいかなければならない。
「……」
「あ、スコール、この資料にも目を通しておいてくれ。会議で必要なんだ。」
「……」
「はんちょ〜〜〜〜!!会議で使う資料に誤りがありましたーーーー!!修正する前にチェックお願いしまぁ〜〜〜〜す!!」
「…………っ」
この辺りでスコールの眉間の皺も、モーゼの十戒の如く深い亀裂となって浮き彫りとなってくる。そしてそれに伴い貧乏揺すりも激しくなってゆく。
「スコール、このサボテンダーの生育調査とトンベリの生態についての報告書なんだけど……」
「…っ、はぁ、はぁ、……サボテン……はぁ、っくっ」
スコールが錯乱し始める。
そしてアナウンスが。シド学園長だった。
「スコール君。スコール君。カードリーダー前に集合してください。」
スコールは、心中で何で今なんだよと絶叫していた。そして脳内ではシドの掛けているメガネを奪い取り、完膚なきまでに粉砕。
「スコール…はぐはぐ…」
ラスボスの到来である。スコールは片手でPCを叩き、もう片方の腕でリノアを抱きしめる。
「…はぁ、はぁ、……目がまわる……っ」
「スコール!!ガーデンの操作がきかなくなった!!判断を!!」
ニーダが執務室兼、指令室へと駆け込んでくる。
「叩いてなおせ……っ」
「了解!!!!」
ニーダが去る。
「スコール…もっとギュッてはぐはぐ…スコールの愛を感じたいよ…(´・ω・`)」
リノアが甘えてくる。まったく空気を読もうとしない彼女にスコールは半ば気絶しかけた。
(今か!?今必要か!!?)
「スコールっ!ねぇっもっとはぐはぐ…っ!」
「はいはいはぐはぐはぐはぐ」
ぎゅうっとする。
「スコール君。スコール君。ただちにカードリーダー前に集合してください。繰り返します。」
シド学園長がしつこい。スコールは疲弊しきって、目の前にあるリノアの胸の膨らみに顔を埋めて現実逃避をした。
「スコール……大丈夫?すごく辛そう……」
お前もその原因の一因だがな……スコールは思う。
「はぐはぐギュッてしてあげるね?」
「……リノア……」
胸にすりすり。スコールはリノアからパワーをもらう。
胸に顔を埋めていると、次第に精力が湧いてきた。
これならなんとか乗り切れそうだ。
スコールは再び持ち直した。
おしまい
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