眠れぬ夜
アーヴァインがスリーサイズなんて下世話な話題を振ってきたせいで
改めて考え込む羽目になった。
あの後気付いたら一人になっていたから結局あいつが何を言いたかったのかまるで分からない。
俺のリノアのスリーサイズが気になるなんて……どういうことなんだよ。まさか、俺のリノアのことをそんな目で……。
もしそうだとしたら俺はアーヴァインを地に沈めるかも知れない。
俺のリノアは俺だけのものであり
リノアの体も心も俺だけが……
あぁっ……！だめだ！
俺も最低だ……。リノアの体のことを想像したら止まらない…！
クールだ…クールにならないと駄目だ。
いつでも油断しちゃいけない。
下世話なことを考えれば確実に隙が生まれてしまう。これで突然の敵襲に対応できるか？
……できるけどな。正直、切り替えは早いから。
けど……リノアのいないところでリノアの裸を想像するなんて、最低じゃないのか…？
いや別に裸を想像していたわけではないが、スリーサイズがどうだとか
そんなこと俺が考えているなんて
もし彼女が知ったら何て思われるか。……。
「なぁ…壁さん…」
「俺はそんなにおかしなことを考えてるのか……？」
「好きな女子の……」
「………」
スリーサイズを想像することがそんなにいけないことなのかよ…。
教えてくれよ、壁さん。
誰だって気になるだろ？
そもそも、教えてくれていれば、いちいち気になることもない。
人間には知識欲があるのだから、知らないことを知りたいと思うのが当たり前だろ。
どうして地球は丸いのか。それを疑問に思っても誰も責めはしない。
ただし、俺のリノアのスリーサイズを聞き出そうとしたアーヴァインは後で一発くらい殴ろうと思ってるが。
「……」
…クソッなんなんだよ…スリーサイズって……ッ
たかがスリーサイズにこんなに悩まされるなんてな…。
大したものだ……。
ああでも、冷静に考えてみればなんて事はない。
万物ありとあらゆる物体にはサイズがある。あのガンブレードの長さと、このベッドの大きさ。
ここから天井までの高さ。どれもがサイズ。
たかが女子の体の一部のサイズが何だっていうんだよ…。
俺は何を怯えていたんだろう。
もう、寝よう。
＊＊＊＊＊＊＊＊
寝られない。
End.
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