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どかーん



「名前ちゃん…?」

「マ、マツバさん…」


平日昼、人が疎らな時間を見計らいコガネ百貨店を訪れた。必要な商品を取り、レジに向かうと見慣れた顔と目が合う。


「いらっしゃいませ!」


ぎこちない笑顔でそう言うと、レジに置かれた商品のバーコードにリーダーを当てる。


「ここでバイトしてたんだ。」

「はい。言ってませんでしたっけ?」

「聞いてないよ。今度は狙って来ようかな。」

「それだけは、その…」


名前ちゃんは全ての商品のバーコードを読み取り終え、レジの下から袋を取り出した。時間にして数秒。せっかく会ったのに勿体ないなあなんて思ったら、性もない悪戯心が芽生える。


「あ、あとさ、」

「はい?」

「スマイル、ひとつ。」


某ファーストフード店だろ、それは。そう思いながら告げてみる。僕の予想では、困った名前ちゃんが見れるだろうと言ったのだが、彼女もどうやら負けっぱなしではないようだ。一度俯いたあと、顔を上げた。


「これでよろしいでしょうか?」

まさかの、誤爆
(……っ!!)
(…マツバさん?)





(持ち帰りた、い、)
あの…?
100612




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