もう一度ゆっくりと唇を重ねて、服の上からそっと胸に手をあてる。びくりと揺れる肩に少しだけ笑った。
ぽぽん。どこからかした軽快な音は無視。
「名前ちゃん。」
「…マツバさんって、」
名前を囁くと、関係のない言葉が返ってくる。
「どうしてこういう時は名前って呼ぶんですか?」
今はちゃんでしたけど。…それは自分でも疑問な所だったので、どうしてだろう、とおうむ返しに首を傾げてみた。
「わ、私に聞かれても…」
「うーん、何て言うか、ちゃんをつける余裕が無くなるのかも…」
「?」
「それを言うなら、一回でも多く名前を呼びたい、の、かな?」
「!」
最後の方は自分でも恥ずかしくなり、語尾を窄める。お互いきっと真っ赤だろう。
一拍置いて形勢を持ち直すために言葉を繋ぐ。
「名前ちゃんは、呼ばない?」
「え?」
「…僕のこと、呼び捨てで。」
「…っ、む、無理ですよ…!ダメです…っ」
名前くらいで真っ赤になる名前ちゃんがかわいい。
「ねえ、呼んでみてよ。」
あてたままだった手を動かすと、更に真っ赤になった名前ちゃんがぶんぶんと首を横に振る。
「ほら、早く。」
「…〜っ、」
追い打ちをかけるように耳を甘噛みして、囁いた。「ね、ほら、早」
「ぐっ!!?」
「!?」
突然思い切り首が締まる。噎せ返りながら振り向くと、僕と名前ちゃんの間に二つの影が滑り込んだ。
「ゲゲゲ!」
「ピルルッ」
「げ、ゲンガー!ムクバード!」
「げほっ」
見せ付けるように名前ちゃんにくっつく二匹。…え?こ、このタイミングで?
「淋しかったんでしょうか…?」
いつの間にか起き上がった名前ちゃんが二匹を撫でる。すると二匹はそうだと言わんばかりに頷いた。カタカタと聞こえる音はデンリュウのボールだろう。
「一緒に寝ようか?」
「!!!」
唖然とする僕に、跳ね回る二匹。名前ちゃんはおもむろに立ち上がってデンリュウのボールを持ってきた。大きさの問題で出てこれない彼女を枕元に置くつもりらしい。(ゲンガーやムクバードとデンリュウの性格が反対だったら大変だったな…。)
「…、い、いいですか?」
「……いいよ。」
申し訳なさそいに眉を下げられては、反論できるはずはなく、
どうやら今日も、お預けらしい。
サービスタイム終了の
お知らせ
(ゲンガー冷たい…ふふ)
(…あれ、何で僕が隣じゃないんだ…?)
1010324
くだらない、し、短い
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