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見ていた




「しつこーいっ!」


コガネ百貨店に買い物に行った帰り道自然公園で、もう随分聞きなれた声を聞いた。辺りを見回すと一組の男女。


「マーイークっ!もういい加減にしてよっ」

「いーやまだ聞き足りないんだ!」

「まだ!?」


聞きなれた声の主は予想通りナマエちゃん。彼女はジャグラーに絡まれていて、服の裾を引かれている。見て見ぬ振りは出来ないので止めようかと思ったが、彼女の口振りなどから全く知らない相手でもなさそうなので躊躇する。


「私これからコガネジムで約束があるの!だからいい加減はなしてよ!」

「じゃあ聞かせてもらうよ!ラジオ番組は何が好き!?最近ハマってるものは何!?」

「だあああうっざああ!わかった!こうしよう!」


普段僕と話すよりずっと大きな声で話すナマエちゃんに心の中でひっそり笑いながら(あんな風な喋り方も出来るんだ。)様子を見ていると、突然彼女はモンスターボールを突き出した。


「お互いトレーナーなんだから、バトルで決めない?」

「…いいね、君への質問権をかけるんだね。」

「私が買ったら黙ってサイコソーダ代だからね。」

「よし、乗ったよ!」


そう2人が笑んだ次の瞬間には、ビリリダマとモココが対峙していた。楽しげにナマエちゃんのスカートが揺れる。景色は遠い。それでも、ナマエちゃんが本当ににっこり笑っているのははっきり確認出来る。不思議だけれど、きっと全身から楽しいという気持ちが溢れているんだと思う。

次、早い時間にナマエちゃんを見付けてお互い暇だったなら、バトルを申し込んでみたい。勿論負けるつもりはないけれど、勝ち負けではなくただ純粋にバトルでの彼女を知ってみたい。それには彼女と誰かのバトルを見るんじゃきっと足りなくて、直接、僕自身が彼女とバトルしなくてはいけない気がする。

だからその来るべき時を思い描きながら、とりあえず


その光景を見ていた
(だけどバトル終了後、)
(バトルは余り覚えていなかった)





(どうしてだろう。)
100518
ジャグラーのマイクの
電話にガクブルしたんだ。
ストーカーのマイクか
しりたがりのマイクにすべき。




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