「好きよ、銀さん」 「おれはお前がきらいだよ」 「うそつき。どうしていつも逃げるの?」 「お前がきらいだからだよ」 「私はあなたが好き」 「おれにさわるとやけどする」 「かまわないわ」 「あなたにふれて やけどしたいの」 「あなたがくれたものならば 痛みだってしわあせなのよ」 ‐‐‐ 「ねぇ、銀ちゃん」 「銀ちゃんは、さっちゃんのことが好きでショ」 「別に。好きじゃね―よあんな女」 「女の勘は鋭いネ。ねぇ、好きなのにどうして好きって言わないアルか」 (―――好きだから、 すき だなんて、言ってやらない) (それが、アイツにとって いちばんしわあせ) 「大人はいろいろ複雑なの」 「ふうん」 (大人って淋しいいきものアルナ) マゾヒスト×マゾヒスト |