私立鈴華学園
Ⅳ
「壱ちゃん、学校行ってくれるかしら？」
様子を伺いながら聞かれ
「行くぅ!!」
はぁ～い、小学1年生みたいに手を挙げた。
諒ちゃんと一緒なら絶対楽しいよ。
楽しみだなぁ。
「あのね壱ちゃん。鈴華には梗ちゃんも居るのよ」
え？
「鈴華は茜ちゃんの学校なの。茜ちゃんが理事長をしててね、幼稚園から大学迄一貫してる学園なのよ。勿論梗ちゃんは幼稚園からだけど」
へぇ～梗壱も居るのかぁ。
初めて逢えるなぁ。スッゲェ楽しみ。双子だから多分同じ顔だよな？普通に洋服交換とか出来そう♪
嬉しいな。早く逢いた―い。
「俺スッゲェ楽しみ」
ニッコリ微笑んだが
「あのね壱ちゃん。梗ちゃんに逢ってもヤキモチとか妬かないでね？」
不思議なセリフが聞こえ首を傾げた。
ヤキモチ？
って何故？
「双子だからソックリなんだろ？」
もしかして中身が違い過ぎるのか？
梗壱の方が優秀過ぎるとか？
「あのね、双子と言っても一卵性じゃなくて二卵性なの」
二卵性。
って事は似てないって事か？
「壱ちゃんはママ達にソックリなんだけど梗ちゃんは似てないのよ」
そりゃぁ二卵性だからな。
「壱ちゃんはスッゴク可愛いんだけどね、梗ちゃんはスッゴク格好良いのよ」
何言ってんだよ。
ウチの遺伝子でソレは有り得ないだろ？
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