私立鈴華学園
Ⅲ
「壱ちゃん。高校は鈴華学園に行ってね」
はい？
あの、ソレは決定事項ですか？
「母さん、鈴華って何処にあるの？」
近くにあったっけ？
「隣りの県よ」
微妙に遠いな。
つか、なんか聞いた事あるぞ。その学校名。
何だっけ？う～ん
「ソレって共学？」
「全寮制の男子校よ」
全寮制・・・そういえば諒ちゃん近くの全寮制って言ってたよな？
「近くに全寮制って他にもある？」
「確か鈴華だけよ」
ヨシッ!!間違いない、諒ちゃんが行ってる所だ。
諒ちゃんとは伊吹諒という名前の189cmで少し怖いオーラを放っているが、物凄く格好良い顔をしている人だ。
因みに俺のスポーツと喧嘩の師匠。
俺は背のせいでバカにされたくなくて、強くなりたい!!日々そう思っていた。
そんなある日、中学で喧嘩の話を聞いた。
どうやら隣りの県に物凄く強い人が居て、ウチの中学で一番強い香坂先輩が一瞬でヤられたらしい。
確か香坂先輩はスポーツ優待生として有名な高校に内定が決まってた筈。
そんな先輩を一瞬で倒すなんて格好良過ぎだよ!!!
一気に興味が沸いた俺は速攻逢いに行った。
で、かぁなり強引に弟子入りした。
諒ちゃんスッゴク困ってたなぁ。
無理矢理頼み込んだ時の顔、何故か真っ赤だった。
怒ってたのかな？
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