私立鈴華学園 U 梗壱のお陰で、あっと言う間に終わった荷物の整理と掃除。 「ありがとぉ」 ニ―ッコリ笑うと優しく笑い返される。 んんん―っ、軽く背伸びをすると携帯を取り出した。 「おっ、同じじゃんソレ」 ん?梗壱の声。同じって何が? 「ほら色違いだし」 目の前に出されたのは全く同じ機種の携帯。 俺のがピンクで梗壱のが黒。スッゲェな色違いなんて。流石双子。気が合うな。 速攻で互いの番号とアドレスを交換しあった。 携帯に登録された梗壱のデータを見て嬉しくなった。 なんかスッゴク距離が近まった気がする。 「ん、メール?」 黙々文章を打っていると聞かれた。 「うん諒ちゃんに」 ニコニコ笑うと 「ソレ誰?」 すぐさま聞かれた。 「俺の喧嘩とスポーツの師匠」 答えると 「どういう関係だ?」 又聞かれた。 って、質問攻めかよ? 「諒ちゃんは伊吹諒って名前で多分此所の先輩。背が189cmもあって怖い顔をしているけどスッゴク格好良いんだよぉ。物凄く喧嘩が強くてスポーツも得意だし。自慢の師匠なんだぁ」 自慢しながら言うとピンポーン、呼び鈴が鳴った。 「あっ、諒ちゃんだぁ」 喜んでドアを開くと 「壱華」 抱き締められた。 あっ、諒ちゃんの匂いだぁ。落ち着くぅ。諒ちゃんの温もり大好き。 約1ヶ月も逢ってなかったからかな?物凄く嬉しい。 「ん・っ」 唇が重なり目を閉じた。 「は・ぁぁ、っんん」 舌が絡め取られキュッ、気持ち良くて諒ちゃんにしがみついた瞬間 「壱華っっ!!!!」 梗壱が怒鳴った。 ビクゥッ!!突然の大声に驚き梗壱を見詰めると 「オイお前。今スグ壱華から離れろ」 物凄く低い凍り付く程冷たい声が部屋に響いた。 どうして?梗壱が怖い。 「壱華ソイツとどういう関係?」 諒ちゃんに聞かれ 「俺の弟」 笑顔で答えた。 「似てねぇな」 苦笑され 「うん。でも双子なんだよ」 見上げると 「そっかぁ。そうだ壱華。今から俺の部屋来いよ」 誘われ 「ごめん梗壱。ちょっと出掛けてくるね」 「ちょっ、壱華?」 戸惑う梗壱を軽く無視して諒ちゃんと部屋を出た。 [*前へ][次へ#] [戻る] |