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おかしな事に俺は土方に親友以上の感情を抱いていた。
初めて目線が合ったあの瞬間、一目惚れしたのだ。綺麗な黒髪・整い捲った顔・鍛え抜かれた身体、全てが好みだった。
尚且つ声と体臭と性格迄もが好みで、完全に俺は土方に惚れてしまった。
日々深まる想い。蓄積されてドンドン強まっていく。
土方が好き。物凄く好き。
だが
「土方?」
偶然休日に外出した時、見てしまった。
楽しそうに手を繋ぎ公園を歩く男女。土方と綺麗な女性。儚げで守ってあげたいと思える姿。
「十四郎さん」
そう呼んだ声が耳に入りズキリ胸が痛んだ。
なんだアイツ彼女居たんだ。何も言ってくれなかったから知らなかったじゃんか。
俺バカみたいだ。何1人で勝手に浮かれてたんだ?
いつかは親友じゃなく、恋人になりたいだなんて。何考えてたんだよ。
美男美女な2人を見て
『似合いすぎるよ』
俺は涙を零した。
翌日真っ赤に腫れた目元。
バレない様、初めて学校を休んだ。
次の日
「おはよ坂田。昨日熱出たらしいけど、もう大丈夫なのか?」
心配そうに聞かれ
「ありがと。もう大丈夫」
ニッコリ笑った。
大丈夫。まだ笑える。恋人になれなくても良い。側に居られるなら親友のままが良い。
好きだなんて愛して欲しいなんて言わないから、だからお願い。
土方
側に居させて?
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