[携帯モード] [URL送信]
U
おかしな事に俺は土方に親友以上の感情を抱いていた。

初めて目線が合ったあの瞬間、一目惚れしたのだ。綺麗な黒髪・整い捲った顔・鍛え抜かれた身体、全てが好みだった。

尚且つ声と体臭と性格迄もが好みで、完全に俺は土方に惚れてしまった。

日々深まる想い。蓄積されてドンドン強まっていく。

土方が好き。物凄く好き。

だが

「土方?」

偶然休日に外出した時、見てしまった。

楽しそうに手を繋ぎ公園を歩く男女。土方と綺麗な女性。儚げで守ってあげたいと思える姿。

「十四郎さん」

そう呼んだ声が耳に入りズキリ胸が痛んだ。

なんだアイツ彼女居たんだ。何も言ってくれなかったから知らなかったじゃんか。

俺バカみたいだ。何1人で勝手に浮かれてたんだ?

いつかは親友じゃなく、恋人になりたいだなんて。何考えてたんだよ。

美男美女な2人を見て
『似合いすぎるよ』
俺は涙を零した。

翌日真っ赤に腫れた目元。
バレない様、初めて学校を休んだ。

次の日

「おはよ坂田。昨日熱出たらしいけど、もう大丈夫なのか?」

心配そうに聞かれ

「ありがと。もう大丈夫」

ニッコリ笑った。

大丈夫。まだ笑える。恋人になれなくても良い。側に居られるなら親友のままが良い。

好きだなんて愛して欲しいなんて言わないから、だからお願い。

土方

側に居させて?

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!