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「はじめまして」
挨拶をし、見詰めた相手は土方にそっくりだ。今の土方がそのまんま年を取った感じ。
「格好良い」
オイ銀時、何見惚れてんだバカ。
初めて見た土方の父親にポォ―っとしている銀時に軽く呆れながら
「お願いがあります」
俺は話を始めた。
俺の会社を譲渡する代わりに土方の縁談を取りやめて欲しい。
そう話すと俺以外の奴は皆ビックリしていた。
「何言ってんだよ金時」
最初に口を開いたのはやはり銀時で。
「すまないが、それは無理な話だ」
次に口を開いたのは土方の父親だった。
断られた事によって静まり返った部屋。
重い空気が立ち籠った時だった。
コンコン、ノックが聞こえ
「失礼します」
女性が入って来た。確か土方の婚約者だったっけ?
「三葉」
呟かれた名前にビクリ反応する銀時。泣きそうな顔で彼女を見詰めた。
「伯父様、すみません。話聞こえちゃいました。私からもお願いがあります」
突然現われてなんだよ?話の中断とかだったら後にしてくれよ?聞き耳を立てたら
「十四郎さんとの縁談、破棄して貰えませんか?」
彼女は意外なセリフを口に出した。
え!?
一斉に向けられる彼女への目線。
「十四郎さんには好きな人が居るんです。私には勝てません。だから私は自分だけを愛してくれる人を探したいんです」
ハッキリと伝えられた言葉。
重い重い沈黙が続き、
「俺からもお願いします」
土方も頭を下げた。
「土・方」
名前を呼んだ銀時の瞳から綺麗な雫が零れ落ちたのを見た土方の父親は一瞬驚いたが
「分かった」
小さく呟いた。

婚約の話は流れたが、将来的に結婚は避けられないと言われた。結局、俺の会社はそのままで良いと言われた為俺は会社を譲渡せずに済んだ。
未来迄は分からない。けれど今の所は当分平穏な日々が続く気がする。

「君が十四郎の恋人なんだな?」
「すみません」
何故か銀時の顔を見詰める土方父の顔が優しい。
「可愛いな」
軽く口付けながら囁かれたそのセリフに
「ちょっと待てっっ」
俺と土方の声がハモった。
まさか土方父、土方と好み一緒か?
「どうせなら俺の愛人にならないか?」
・・・・・・ど・どうやら気に入られた様子。受け入れて?貰えたようだし、取り敢えずは安心かな?
「ちょっ、ゃぁん、何処触ってんですかぁ?」
「ぅっわぁ、親父何やってんだよ!?」
焦り捲る2人を見て・・・・・えぇっと大丈夫なんだよなコレ?
思いっ切り引きつった。

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あきゅろす。
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