Ⅵ
ふと、初めて抱いた時の事を思い出した。
あの時坂田は自分のせいで俺迄汚れると言った。俺を汚したくない、嫌われたくないって。
バカな坂田。お前が汚い筈ないじゃないか。お前はスッゴク綺麗だ。俺が坂田を嫌うワケないだろう？
愛してる坂田。嫌いになんかなれる筈がない。
・・・・・・ってアレ？ちょっと待て。今の俺がしている行動って、坂田から来たメールって。まさか俺・誤解させてないか？
そういえば抱いた後スグ《もう逢えない》ってメールして尚且つ避けてる様な？って、ぇえっ、コレ完全にヤバくね？俺の行動。
コレって世間一般によく言われるヤリ逃げってヤツか？
という事はやっぱこのメールって、多分。いや、100%の確率で坂田に誤解させてるな。
俺が抱いたのは同情で、自分が汚いから嫌われて避けられてるとか考えてたり？
って、ぅっわぁ～っっ!!!俺最低じゃんか。絶対坂田傷付き捲ってるよ。
『嫌われたくないよ』泣きながら訴えていた坂田の顔が脳内に蘇り、焦った。
ごめん坂田、俺は自分の事しか考えてなかった。
なんて最低なんだ。許して貰えなくても構わない、今すぐ謝るから顔を見せて欲しい。
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