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土方SIDEW-T
坂田に逢えなくて必死に捜し回った翌朝。漸く逢えた坂田は見知らぬ男におんぶされていた。
真っ青な顔。気分でも悪いのか?
「坂田」
名前を呼ぶと
「土・方ぁ・・・っ」
泣きながら名前を呼ばれた。
ああやっと逢えた。泣いている坂田は物凄く儚げで思わず抱き締めたい衝動に駆られた。
そぉっと頬に触れると絡み合う視線。ああどうしよう、堪らなく愛しい。今すぐにでも坂田が欲しい。
顔を近付けた瞬間
「!?」
時が止まった。
顔を引き寄せ、無理矢理唇を奪われた坂田。抵抗しながらも続けられる口付けに思わず逃げ出した。

本当は止めさせるべきだったんだ。それなのに出来なかった。いや、しなかった。
俺には坂田を守る権利がないからだ。坂田を助けてその後一体どうしたら良い?消毒と託つけて唇を奪うのか?それじゃぁさっきの奴と何ら変わらない。

キスから解放された坂田はどう思うだろうか?突然目の前を去った俺に失望する?それとも傷付くかな?

坂田の泣き顔を思い出し慌てて引き返した。
ごめん坂田。逃げてごめん。

だがソコにもう坂田は居なくて玄関の呼び鈴を鳴らすと
「何か用?」
金髪が顔を出した。なんでコイツが居んだよ?
「坂田に逢わせてくれ」
コイツに頼むのは癪だったが取り敢えず頼んだ。

「嫌だね」
即答されてカチンと来た。

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