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V
「土方」
震える声で名前を呼ぶと
「邪魔だから帰ってくんない?」
金時がムカつくセリフを吐いた。
待てよコラ。邪魔なのはお前だろ?金時。何勝手なセリフ吐いてんだよ。
「金時っっ」
キツく名前を呼ぶと
「言っても良いの?昨日の事」
小声で囁かれ真っ青になった。
止めてくれ。土方にだけは知られたくない。実の兄に抱かれたなんて。
フルフル左右に首を振ると
「なら黙ってろ」
命令口調の声が耳に入った。

「坂田、昨日何かあったのか?連絡もないし電源切れてたしさ、スッゲェ心配したんだぞ?」
土方に目線を向けると凄く疲労が見えた。まさかずっと捜してくれてたのか?
「なんか凄い胸騒ぎがしてさ、必死に捜してた」
嘘・ずっとなのか?土方。涙腺が弛んで涙が零れる。
「土・方ぁ・・・っ」
泣きながら名前を呼ぶとゆっくり撫でられた頬。
愛しくて堪らない。
「ごめんね」そう口を開きかけた時
「!?」
突然凄い力で引き寄せられ金時に唇を奪われた。
「嫌っっ!!!」
パチン頬を叩いたが再び重ねられた唇。今度は後頭部を抱え込み無理矢理舌迄絡めてきた。
土方の前でされた事がスッゴク嫌で、見られた事が哀しくて唯唯涙が溢れた。

漸く解放された時にはもう・・・・・・土方の姿はソコに無かった。

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