U ああ、どうして振り返ってしまったんだろう。 「金時」 爽やかな笑みを浮かべた金髪が目に入った瞬間 『振り向くんじゃなかった』心底後悔した。 「ソコ土方の家?ねぇ銀時。約束忘れてた?」 そう聞かれ 『ヤッベェ。完全に忘れてたよ』苦笑いを浮かべた。 「大事な約束を忘れ、尚且つ土方に逢いに行くなんてさぁ。銀時、お前にはお仕置が必要みたいだな」 ニ―ィッコリ物凄く綺麗に微笑まれ 『顔とセリフが一致してねぇっっ!つかマジ怖いからぁ!!』 俺は激しく身の危険を感じた。 『って、ちょぉ〜っ、何処連れて行くんだよ!?』 土方の家の前、突然腕を引かれ俺は金時に連行された。 「映画館?」 連れて来られたのは小さな寂れた映画館。 カチャリ金時が鍵を開け、パチリ電気を付けた。 『此所今使ってないのか?つか何故鍵持ってんだよ?』 訝しげに見詰めると 「あっ、此所さ。運営しなくなったから貰ったんだ」 サラリ普通に言われ『貰ったって、映画館だぞ?』余計金時が分からなくなった。 「テープさえあれば何でも好きなヤツ観れるぜ?勿論DVDも観れるし」 「へぇ〜DVD観れるのは良いかもな」 今度持ってるヤツ此所で観させて貰おうかな。 そう考え気を許した瞬間 珍しく年相応な笑みを見せられ少しだけ親近感を覚えた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |