2. 「うっわ、コイツん中スッゲェ。マジ最高」 「マジで?」 「ちょっ、お前早く変われよ」 「は?何言ってんだよ?次俺だろ?」 「何ソレ狡過ぎ」 頭上で繰り広げられる茶番劇。 『なぁ、もうどうでも良いからさぁ、早く終わらせてくんねぇ?』 嫌気が差した。 中学卒業迄は大丈夫だったんだけど、高校に入学した日から、俺の周囲は変わった。 「ヤッベェ、マジ可愛い」 『はぁ???』 どうやら俺は、変な輩に好かれる体質らしい。 「ちょっ、お前等落ち着け」 「ま、待てって、オイ、ヤメロッ!!!」 抵抗虚しく、入学式初日に襲われた。 うん、俺男だよな? 此処共学だよな? 可愛い女子沢山居るよな? なのに、何故俺を可愛いと言って抱く? マジで意味分かんねぇ。 最初の頃は必死に抵抗したり、本気で逃げたりもした。 だが、皆我が身が一番可愛いらしく、見て見ぬ振りか、気付かない振りをする。 抵抗しても来るのは救いの手ではなく、暴力。 どう足掻いても変わらない悪夢に、全てを投げ出した。 なんか、もうどうでも良い。 名前さえ知らない、どうでも良い奴等に犯される日々。 抵抗しない限り、痛い事されないし。 別に気持ち良くもない。 我慢して無抵抗でいれば、いつの間にか終わっている行為。 元々面倒い事が嫌いな俺は、日々繰り返される凌辱も、どうでも良く思える様になっていた。 好きでも無い奴等としても、気持ちが伴ってなければ、ソレはノーカウントだろ? いつまでも自分の上で、浅ましくも息を乱す変態共に 「ねぇ、そろそろ次の授業始まるからさぁ、早く終わらせてくんない?」 死んだ魚の様な目を向けた。 身体中に浴びせられる汚い白濁。 ドロリ胎内からも溢れて、マジで気持ち悪い。 痛みには慣れたが、不快感だけは一生慣れないだろう。 用意していたタオルで全身を拭き、服を整えてから、教室に戻った。 歩くだけで向けられる嫌な視線。 ちょっ、そんな飢えた目で見んなよ、キモいから。 毎日犯されているせいか、変なフェロモンを放出しているらしい。 日々、俺に向けられる変な視線は増加中。 お前等さぁ、共学だぞ此処。 女子を見ろよ、女子を。 全く楽しくも面白くも無い日々が続き、高1は終わった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |