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V
「銀時」
柔らかく呼ばれた名前。
涙のせいで俯いていた顔をゆっくり上げると
『ぇ!?』
チュッ、頬に触れたのは土方の唇。
ビックリしたまま固まっている間も
「んっ、土・方?・・・ふ・ぁ」
続けられる口付け。
頬、額、瞼、目尻と、あちこちにされる。
なんかくすぐったいけれど、スッゲェ気持ち良い。
ていうか、なんか今、スッゴイ幸せ。
ああ、俺本当に土方が好き・なんだな。
改めて実感したよ。
土方が好き過ぎて、おかしくなりそう。

「・・・・好・き・・・。土方が好き。大好き」
涙目のまま、微笑むと
「本当か?」
訝しげに聞かれた。

あっ、疑ってる
なら、信じる迄、目を見ながら真剣な顔で言ってやる。

「本当。嘘じゃない。俺は、土方が好きだ」
「スッゲェ好き」
「好き。大好き」
「土方が、好き」
あ〜もぉ、なんか恥ずかしくなってきたぞ。
何コレ?一種の羞恥プレイか?
苛め???

段々羞恥で赤くなっていく顔。
これ以上言わすな。
おい土方、早く何か言いやがれ。
俺を茹蛸にでもするつもりか?この野郎。

真っ赤な顔で押し黙ってしまった俺。
恥ずかしさでなんか逃げたくなってきた。

すると
「なんだ。もうお終いか?」
ニヤリ土方が口角を上げた。
って、ちょっ、土方ぁ〜!?

「折角の最高の告白タイムだったのになぁ?」
んなっ!?
コイツ性格悪くなってねぇ?
「なぁ、もっと聞かせろよ?」
ーーーーーーっ、なんかムカツクのは何故だ?

「なぁ・・・・・銀・時・・・?」
「ひゃぁあっ!?」
ちょっ、土方ぁ!?
い、い、い、今耳舐めたぁ!?

耳元に最強甘くて低い美声を囁きながら、土方の奴、俺の耳舐めやがった。
ちょっ、何しやがる。

「ゃっ、止めろって。ひゃんっ、ゃ、だ。止めろバ・カ、っ」
俺の反応が面白かったのか、チュッ、チュッ、ンチュ、チュッ、耳に何度も唇をくっつける土方。
俺はもう、完全なる茹蛸。
茹で上がり過ぎて、頭から湯気が出そうな勢いだ。

「可愛いな」
『ぇ!?』
囁かれ土方の方を振り向くと
「ーーーーーんっ!?」
俺の唇は、土方ので塞がれた。

嘘、コレ、キス?
俺、フラれたんだよな?
なら、なんでキスされてんだ?

「土方?」
ゆっくり離された唇。
驚きながら名前を呼ぶと
「あ〜あぁ。なんでこんな奴好きなんだろ」
溜め息を吐かれた。
『はい!?』

「スッゲェ俺を傷付けたかと思えば、スッゲェ幸せな気持ちにしてくれてさぁ。お前だけだぞ、俺の事こんなにも目茶苦茶に振り回す奴」
えっと、どういう意味でしょう?
「ったく、可愛過ぎて嫌いになれねぇよ」
それって?
「今更好きじゃねぇって言っても、聞かねぇからな?お前が嫌がっても、一生側に居て、離してやんねぇから覚悟しろっっ」
それってつまり、土方も俺の事好きだって事?
まだ好きでいてくれるのか?

ジッと黙ったまま土方を見詰めていると
「好きだ、銀時」
ふわり土方は微笑んだ。

ああ、俺の大好きな笑顔だ。
俺、やっぱコイツの事スッゲェ好き。

「俺も好き。大好きだ」
微笑むと
「キスして良い?」
遠慮がちに土方が聞いてきたから
「今更聞くなバカ」
真っ赤な顔で、俺は自分からキスをした。

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